幻想的な写真を撮影するために、まる1日かけてボロブドゥールへとやって来た

東南アジア

バリ島から、はるばる24時間バスに乗って、ジャワ島の古都ジョグジャカルタにやってきたのは、朝の幻想的なボロブドゥール寺院の写真を撮るためだ。

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暗闇の中か浮かびあがる、古代の不思議な建築物。なんて美しい光景だろう。

この写真はPanasonic G8 + Leica DG8-18mm/2.8-4.0を手持ちで撮影した。シャッタースピード0.8秒、絞りf3.5、ISO200。昨今のカメラは手振れ補正機能が優れているから、手持ちで撮ってもぜんぜん手振れしていないからすごいものだ。いつものことながら感心する。

今回のショートトリップは軽装第一のため、三脚はバリ島に置いてきてしまった。

世界最大の仏教寺院ボロブドゥール

ボロブドゥール遺跡は、西暦780-830年頃にかけて建築された密教の寺院だ。

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密教とは、語り尽くすことのできない仏の真理を説くことから、密なる教えと呼ばれる大乗仏教のスタイルの一つ。日本の真言宗や、チベットの仏教が密教にあたる。

興味深いのは、真言宗の開祖、弘法大師 空海は774年に讃岐で生まれ、835年に高野山で入滅していること。ボロブドゥールの建築開始〜改築終了までとほぼ時を同じくして、日本では弘法大師が誕生し、高野山や東寺を開き、密教の確固たる基盤を作った。

歴史のダイナミックな躍動を感じるね。
さしずめ、ボロブドゥールはジャワの高野山みたいなものだったのかも。

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いま立っている、ここから宇宙すべてに通じているのだ。

などと思いながら写真を撮っているうちに、すっかり夜が明けた。

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周囲を見渡すと、漂うモヤが荘厳な雰囲気を醸しだしている。雨季なので空気が湿っている。この時間のボロブドゥールは世界で最も美しい空間のひとつだろう。

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アマンジオで昼食をとる

ボロブドゥールは、じっくり見ているとすぐに時間が過ぎてしまう。カメラを持って歩いていたら正午をまわったので、昼食をとりにアマンジオへ行くことにした。

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世界遺産ボロブドゥールを遠望するリゾートヴィラとして名高いアマンジオを知っている人も少なくないだろう。

アマンジオのレストランから見渡す平野の眺めは素晴らしく、トラベル フォトグラファーなら一度は訪れて写真を撮ったことがある筈。ここからの、密林に浮かぶボロブドゥール寺院の眺めは見事というほかはない。

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ボロブドゥール遺跡は、世界最大の仏教寺院として2012年にギネスに認定された、とてつもなく巨大な建築物だが、それをつつみこむ密林はなお巨大だ。

感動しながら写真を撮って、さっそくランチを注文した。

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料理も手持ちでパチリ。

外の光が届かないレストランの奧で、ただシャッターを切るだけでこんなによく写るんだから、もうフォトグラファーの仕事に照明器具とかストロボは必要ないかもしれないな(そんなことはないよ、言ってみただけさ)。

ボロブドゥール近隣の村を歩く

せっかく田舎に来たのだから、周辺の村を散策した。

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そのうち雨が降ってきた。ジャワ島はサイクロンの影響で天候が不安定らしい。バリ島は雨季で雨が多いけど、ジャワ島は別の理由で雨だった。

ぼくは雨の景色も好き。

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いろんな写真を撮った一日だった。

自然の猛威に触れる日々

ジョグジャカルタの北には、活火山のメラピ山がそびえている。

いまも時折噴火をするこの山は、かつて、ボロブドゥール寺院を築いた王朝を火山灰の下に沈めて滅ぼしたといわれている。

自然の力はすさまじい。

バリ島のアグン山が噴火して飛行機が飛べなかったために、バスで遠路をやってきたぼくは、この状況のおかげで自然界の猛威に翻弄される人間の小ささ・弱さをほんの少しだけ実感することができた。

大自然に生かされている日々に感謝して、今日も写真を撮り続けるのだった。

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