洗濯機のスイッチを入れるだけ。それで洗濯をしたと言えるだろうか

バリ島

昼下がりに、日本人の奥さんと、バリ人の旦那さんと3人で、バリ島の生活についてあれこれとを話していたときのこと。

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日本人の奥さんが「毎日の生活ってこまごまとすることがあって大変ですよね。洗濯物なんかたくさんあるし」と言ったとたん、その旦那さんが目を丸くして「え、洗濯は洗濯機がするんじゃないか。お前は何もしていないじゃないか」と驚いて反論した。

奥さんが少し不愉快そうな顔で「えー、洗濯物を出し入れしたり、干したり、することはいろいろあるわよ」と言うと、旦那さんは本当に驚いた顔をして「いや、お前は何もしていない。洗濯は洗濯機がするんだ」と重ねて反論した。

バリ島では洗濯機を持っている家庭がまだ少ないから、奥さんが川へいって自分の手で洗濯をしている姿を今もよく見かける。だからバリ人は本当に「洗濯機がある家では人間は洗濯をしない」と思っている。日本人の奥さんはバリ島に住んでいるのだからそれを知っている筈だ。

二人の会話を聞いているぼくも、どちらかといえば旦那さんの主張の方がしっくりとくる。ふだんからアジアの方々で人々が洗濯物を井戸端で手で洗っている姿を見ているし、自分でも冬空に手が切れるような思いをして川で洗濯をしたこともあるから、洗濯機のスイッチを入れるだけでは洗濯をしているとはとても言えない。洗濯は洗濯機がするものだ。

でも、旦那さんに同調して「奥さん、あなたは洗濯していませんよ」とはとても言えない。異文化の相互理解の問題なのか、夫婦の問題なのか分からないが、こういうときは遠くの田園風景を眺めて、夫婦の話題が別の方向へ行くまで待っているしかない。

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Posted by ariga masahiro