哀愁のリスボンで、晴れても雨でも写真を撮るのだよ

ポルトガル

一日のうちに四季があるという慣用句は、いまの時期のリスボンを表したものに違いない。すごいいきおいで天気が変化していく。

今日は朝起きて窓の外を見たら豪雨だった。撮影日和ではないなあと思って、雨粒の当たる窓を見ながらベッドの上でヨガをしていたら、たちまち晴れてきた。

こんなにいい天気なのにホテルの寝室に籠もっていても仕方がない。さっそくカメラを持ってテージョ川方面へ歩いていった。

テージョ川は世界史の上で大きな役割を果たしたことがある。この河口の港から西欧の大航海時代が始まったのだ。16世紀にリスボンでもっとも賑わっていた港があったところは、いまコメルシオ広場と呼ばれている。フランシスコ ザビエルもまさにここから出帆し、のちに日本へ向かったのだ。

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ここから世界に通じているのだなあ。

いまのコメルシオ広場には船も着かず、その時代にあっただろう雑踏はない。

けれどもここから河口を眺め、大航海時代に思いを馳せれば、戦国時代の日本や、イスラム化する以前のインドネシア、西洋文明に押しつぶされる以前の南米など、現在とはまったく違う16世紀の世界に心が旅立っていく。

そうこうするうちに雨が降ってきた。

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だいたい30分晴れたら15分雨が降り、それから15分曇ってからまた晴れる、といったぐあいに天気がめまぐるしく変わっていった。

その後も突然雨が降ってきたからあわてて雨宿りのためにカフェに飛び込んだ。ただで雨よけをするのは気が引けるから、レモン湯(レモンの皮を煮出しただけのお湯)を注文した。これは胃にもたれずすっきりした飲み物なんだよ。

しかしほとんどの雨宿りのひとたちは入口で外を見ている。

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雨宿りの度にいちいちカフェを頼んでいたら散財するしね。

そんなふうにして一日歩いて写真をたくさん撮ってから宿に戻った。

宿からの眺めはステキで、夕陽を受けるサンジョルジェ城がよく見えた。ここから人や車の往来を目で追っているだけでも夜まで楽しく過ごせる。

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こうして今日も一日が終わる。

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