原発の自主避難者が、日本を脱出して熱帯のリゾートアイランドに滞在している件

福島原発事故の自主避難者について語った今村復興大臣の記者会見が物議をかもしているらしい。

自主避難とは、原発事故後に政府が指定した避難地域の外、つまり避難する必然性のあまりない地域に住む人が自分の意志で福島県から遠いところへ転居することを決めたことをいうそうだ。

自主避難先は、遠い南半球へ

ここ、熱帯のバリ島にも「できるだけ福島から遠いところ」を求めてはるばるきた自主避難者がいる。具体的にどのくらいの数いるのかは知らないが、ちょっとしたコミュニティができている。

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コミュニティの主流は30〜40代の子連れの女性。「自分の子供を守る」という固い決意ではるばる熱帯まで飛んできたようだ。母子の滞在費を捻出するのは日本においてきた夫の役目。あわれなお父さんは”放射能に汚染された”場所で孤独に会社勤めを続けてバリ島で暮らす妻子に送金しているのだそうだ。

この状態を日本のメディアが取りあげるとき『夫は「この地域は放射線の心配はない」といって日本に残ることを選択した』とあたかも夫が頑迷であるかのように書いてあったりするから笑える。ペーソスギャグかな。お父さんはいろいろと大変ですな。

コミュニティは縮小傾向に

バリ島は「リゾートアイランド」とも呼ばれているが、住んでみれば楽しいことばかりとはいかないのは他の地域と同様だ。

日本人にとっては言葉の障壁が大きいし、なにぶんインドネシアは発展途上国でもあっていろいろと不便なことが多い。それから夫を置いてリゾートアイランドに滞在していることに罪悪感を覚える女性もいないでもない。さすがに最近は帰国する人が増えて、コミュニティは縮小しているという。

ぼくが出会った自主避難者

昨年、ぼくが出会った自主避難者のことを書いておこう。

その母子3人は、2011年までは東京で、夫婦・息子・娘の家族4人で暮らしていたそうだ。

事故後は安全をもとめて西日本に一家で移住したが、それでは安心できなかった一家は数年後に東南アジアへと渡った。

夫婦は観光客の身分のままビザが切れると隣の国へ移動するといった具合にアジア諸国を転々とした。が、じきに旦那さんはひとりで日本に帰ってしまった。そのとき夫婦の間にどんな会話があったのかは知らない。

で、残された(?)お母さんと子供2人が緑豊かなバリ島へやってきた。

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お母さんは30代半ば。食事は自然食志向で、家族の健康には充分に配慮しているそうだ。子供たちは小学生の年齢だが、かれこれ1年以上も学校へいっていない。

田園に怒声が響く

息子は自分のおかれた状況が異常なものであることをわかっているらしく「学校に行きたい」とつぶやくと、母親が烈火のごとく怒鳴り散らして折檻した。「あんたのためにこうしているのよ!」「それがどうして分からないの!」と響き渡る。一旦怒鳴りはじめると1時間以上わめきちらし、それが日に2回はあった。そして子供たちも泣き叫ぶ。

他の宿泊客が困惑していることを母親は知っていたが、彼女は自分を止めることができないようだった。

この母子は、ぼくの隣の部屋に滞在していたからぼくは何度かこの騒ぎを耳にしていた。

その後、この母親は観光ビザの期限がすでに切れていることに気がついて、どこかへ去っていった。オーバーステイについてはたぶん罰金で済む範囲の期間だと思うが、正常な判断力を完全に失っていることが誰の目にもあきらかだった。

今頃は世界のどこをさまよっていることだろう

それにしても放射線から逃れようとしている彼女に必要なものは何なのだろう。日本政府の援助なのだろうか。それとも「自然界から受ける1人当たりの年間放射線量の世界平均は約2.4ミリシーベルト、日本平均は約1.5ミリシーベルト」という事実だろうか。でも事実は彼女の耳には入らないだろうな。

ちなみに優秀なレンズをつくるシグマの工場がある会津の年間の空間線量0.9ミリシーベルト。福島県の放射線量は全体的に日本平均よりさらに低い。このくらいなら何の問題もない。

今、この母子が世界のどこにいるか、ぼくは知らない。