ウズベキスタンの高速列車

シルクロード

サマルカンド〜タシケント間には、高速鉄道が走っている。
高速鉄道といっても、のんびりしたこの国のことだから早くてもせいぜい時速100kmくらいか、もしかしたら60kmくらいののんびりスピードだろうと高をくくって駅へ向かった。改札を過ぎてホームへ出たらびっくり、そこで僕らを待っていたのはタルゴ250だった。

タルゴとは、やや専門になるが解説すると、スペインのタルゴ社によって設計・製造されている、車両の左右の車輪をつなぐ車軸が無くすべての車輪が独立している独特な列車システムのこと(ただしタルゴ250は動力車のみカナダ製)。走行中に軌道幅が変更できるという特徴があり、鉄道王国のドイツへの輸出実績もある。車両には見慣れたおなじみのロゴが貼られていた。

サマルカンドからタシケントへは1編成10両、うち動力車2両、3クラス257席で、営業距離にして344km。これをタルゴは約2時間半で結んでいる。
タルゴの最高速度は時速250km。ウズベキスタンでなくても充分に高速鉄道の名に値する。スペイン製車両だから客席に座るとスペインにいるのと気分が変わらない。軽食サービスがあって、クロワッサンとカフェではなく普通のパンとコーヒーだった。配るのもスチュワーデスではなくスチュワード。

そして外の風景は、カスティーリャ・ラマンチャみたいな乾燥した草原が広がっていた。ラマンチャはすごく乾燥していて肌がパリパリするが、ウズベキスタンも非常に乾燥していて、唇が乾いて仕方が無い。似た景色ではあるものの、こちらはよく見ると遠くにパミール高原の銀嶺が見える。あの向こうはタジクスタンである。

じつはぼくは、ウズベキスタンから帰国したら、さっそくまたスペインへ出かける予定になっている。こうしてタルゴに乗っていると、一足早くスペイン旅行をしている気分だ。