アグン山噴火で空港閉鎖。陸路でジョグジャカルタへ向かったのだった

11月28日朝6時、バリ島ウブドから見たアグン山は、静かに噴煙をあげていた。その煙りは田園にたたずむぼくの上空を越えて、タバナンの方まで広がっていた。

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この光景を見て、ぼくはデンパサール空港が今日も閉鎖されるだろうことを知った。

アグン山噴火で空港閉鎖

アグン山が噴火して、細かい塵芥がデンパサール空港上空に漂っているため、空港は閉鎖されている。ぼくは29日、ガルーダ航空でジャワ島の古都ジョグジャカルタへ飛ぶはずだったのだが、この便もキャンセルされた。

2日続けて空港が閉鎖されるということは、もしかしたらさらに数日は閉鎖が続くかもしれない。そんなに待っていられないので、航空券のことはひとまず忘れて、ジョグジャカルタへは陸路で行くことにした。

デンパサールからジョグジャカルタへは、バスならおよそ20時間の旅だ。飛行機だったらわずか1時間の距離でしかない。だからこの都市間をぼくは陸路で移動したことはこれまでなかった。しかし、シノゴノ言ってはいられない。ほかに移動手段はない。

旅が面白くなってくるのはこういう時だ。

予測不能なことが起きてそれにどう対処するか。情報を集め、新しい目的地やルートを設定し、旅の計画を練りなおす。それまでの計画にない、思いもよらない体験ができるチャンスだ。まめ知識だけど、英語のトラベルの語源はトラブルから派生した言葉。旅というのはすんなりいかないものだ。

ジョグジャへのバスは、デンパサール北西のメングィ バスターミナルから出発する。29日のお昼近くにバスターミナルの窓口について、次の便の切符を買ったら、午後3時発、値段は32万5千ルピア(2800円)だった。

ジョグジャには翌日のお昼過ぎに到着する予定だ。もし、30日の朝デンパサール空港が再開したとしたら、それから飛行機に乗ったほうがジョグジャに早く到着する。しかし躊躇はしていられない。 

メングィ バスターミナルでは、窓口まで20メートル歩くごとに客引きが「スラバヤへ行くのか」と声を掛けてきた。デンパサール空港が閉鎖されたため、12時間の距離にある大都会スラバヤの空港へ向かう人が激増しているのだった。

小旅行だから軽装で出発

数年前に建設されたメングィ バスターミナルは、ヨーロッパのバスターミナルと大差ないつくりで、切符売場の前からバスが出発するから使い勝手もいい。スラバヤへ向かうツーリストも多く見かけた。

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長距離バスのシートは広めで、座り心地は悪くない。ただし走り始めるとサスペンションにガタがきているのか揺れる。総合的にはまあまあ。

もともと予定していなかった短期旅行なので、荷物は少なめ。パラシュートクロスのトートバッグと、スーパーの袋に適当につめてバスに乗った。まるで中国人の出稼ぎ労働者のようなシンプルさだ。

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トートバッグは、ふだんの撮影では照明用具を入れているバッグ。カメラはGH5とG8。それに広角と標準ズームの2本だけを持った。

なお、この記事の写真はアグン山を除いてすべてスマホで撮影したもの。

途中の休みは3回

バスは午後3時に出発し、午後6時にはギリマヌク港に到着した。ジャワ島へ向かう車はけっこう多くて港の手前から渋滞していたこともあって、バスがフェリーに乗るまでに1時間半以上かかった。

最初の休憩はフェリーのなか。ここではカップラーメン以外に食事はなく、お菓子もほとんどない。ベンチに座って休んでいる以外にすることはない。デッキにでても夜だからなんにも見えないし。

2回目の休憩は、ジャワ島に入ってから3時間以上走ってからようやく途中のドライブインに入った。切符に含まれる夕飯にありつけたのはここで、時計は夜11時半になっていた。ジャワ島とバリ島には1時間の時差があるから、バリなら夜0時半のこと。ふつうなら食事をする時間ではないが、こういうときは意外にもしっかり食べてしまう。

3回目の休憩は、朝8時すぎ。朝食は切符に含まれていなかったからか、食堂に入る乗客は1人もおらず、みんな売店でパンかカップラーメンを買っていた。

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休憩以外はずっと走りっぱなし。
熟睡はできない。

なぜか途中でバスが止まる

ジョグジャカルタまであと2時間の距離にある古都スラカルタ(ソロ)の路上で、休憩でもないのになぜかバスはしばらく停まっていた。

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なんで停まっているのか他の乗客に聞いたら、「このバスはジョグジャ市内の営業許可がないからこの先へは行けない。違うバスが来るからそれに乗りかえないといけない」とのことだった。

ジョグジャカルタ行きのバスに乗ったのに、そのバスはジョグジャカルタでの営業許可がないとは「いったいどうなってんの」と呆れた話だが、なんでもジャワ島では珍しくないことらしい。

30分以上たったところで乗換えのバスが到着した。といっても、単に別のバスに話をつけて乗せてもらっただけみたい。上の写真がそのバス。すでに多数の乗客がいたため、立って乗るはめになった人も何人かいた。

そんなこんなでジョグジャカルタのバスターミナルに到着したのは11月30日午後3時になっていた。デンパサールを出発してきっかり24時間が過ぎていた。