新婚旅行の初夜、イタリアのホテルで全財産を置き引きされた悲劇のカップル

旅行情報

アリタリア航空でミラノ空港に着いたのは現地時間午後5時過ぎだった。

現地コーディネイターが空港にミニバスで迎えに来てくれて、旧市街のホテルに直行した。ホテルでのチェックイン作業はコーディネイターさんがしてくれるから、ぼくら8人はその辺のソファに座っておしゃべりしていた。

少し遅れて、日本人の新婚カップルが入ってきて、コーディネイターさんと並んでカウンターでチェックインを始めた。どうやら日本から同じアリタリア航空の便で到着したようだ。

それから少したって、チェックイン作業を終えたコーディネイターさんが、ぼくにパスポートを渡しながら「あの日本人の(カップルの)男の人が持っていたリュックを知りませんか」と訊いてきた。

ぼくはずっとソファに座ってよそ見をしていたから知るわけがない。だいたい彼がリュックを持っていたこともしらない。

なんでも新婚の彼はチェックインする際に貴重品が入ったリュックを傍らのスーツケースの上に置いたらしい。そしてチェックインシートに住所氏名を記してクレジットカードを出そうとしたら、リュックが影も形もないことに気がついたのだそうだ。

ホテルのチェックイン時に手荷物が盗まれるのは典型的な置き引きの手口なのだが、平和な日本から来た新婚さんはそこまで気が回らなかったのだろう。ともかく、その場にはぼくらロケチームしかいないから、とりあえず訊かれたようだ。

犯人はどうやらタクシーの運転手らしい

結局、おそらく犯人は、新婚さんが空港から乗ってきたタクシーの運転手であろう、ということになった。チェックインカウンターへ案内して、別れ際に荷物を持っていくよくある手口なのだ。リュックの中には、パスポート・現金・クレジットカードなど全財産がひとまとめに入っていて、哀れ2人は1円も(1チェンテージモも)無くなってしまったとのこと。

可哀相だから、ぼくらチームの責任者がいくばくかのお金を融通した。明日になれば親元から銀行送金で滞在費が送られてくるだろう。

新婚の2人には船出早々のアクシデントだが、これをきっかけに絆を更に深められるか、それともケンカになって亀裂が入って成田離婚するか、どちらか分からないが前者であってほしい。困難な状況にあって泣き言をいう新妻では先が思いやられる。しっかりした妻なら安心だ。夫もだけどな。

という訳で、ぼくが置き引きの被害に遭ったわけではないけれど、その場にいて事件に関わった、身につまされる一件でした。

あとで旅行会社の人から聞いた話だけど、ホテルのフロントの係員もグルになっていて、チェックイン客の注意を惹いているそうです。ハネムーン中の新婚カップルはいいカモなんだねー。世知辛いです。気をつけようね。

スポンサーリンク