白い村 モンサラーシュ

ポルトガル

田舎道を走っていると、牧草地で草を食む羊の姿をよく見かける。

羊は臆病だから、カメラを持って近づくとすぐに逃げてしまう。
じっくりと時間を掛けないと、なかなかよい構図がとれない。

そんなことをしながら、山を越え、村を越え、スペインとの国境に近くなってきたらようやく丘の上の白い村モンサラーシュが見えてきた。

グアディアナ川から見たモンサラーシュ。

この川はポルトガルとスペインの国境だが、2000年前のローマ時代もポルトガルとスペインの境(当時はローマの州境)だった。
モンサラーシュの「サラーシュ」は、8世紀にこの地方を統治したバダホス首長国のスルタン(イスラム君主)サリスの名に由来している。

村は大変静かで(ポルトガルの田舎はどこへ行っても静かだが)、歩いている人がほとんどいない。

空をみればコウノトリが飛んでいる。

夕方になって城壁の入口に立ったら、太陽のまわりに彩雲が見えた。
この写真の、太陽を中心に左右に虹のような雲が浮かんでいるのがそれ。

この写真だけ見るとまるでレンズのフレア(ゴースト)のようだが、ちゃんと肉眼で彩雲を見てからカメラを向けたのだ。

彩雲が太陽の両側に出ているとは、嬉しい。
土地の神々に歓迎されているような気がする。

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