【マナサロワール湖】チベットで最も聖なる湖

チベット

チベットで最も神聖な湖、マナサロワール湖はインド人にとっても聖なる湖だ。
いまここに、夜明けが訪れる。

静かで、ほとんど何の音も聞こえない。
人がいないということと、4500mの高地で空気が薄いからかもしれない。

かつてインドでは、インダス河をはじめ4大河はこのヒマラヤの奥にあるマナサロワール湖を源流にしていると言われていた。
それはおそらくはるかな昔に、インドの行者がより清浄な修行地を探して川に沿ってはるばると歩いてきたら、この湖と、その向こうにそそりたつカイラス山を見つけて感動に打ち震えたことに由来しているのだとぼくは思う。

マナサロワール湖には、現在でもインド人の巡礼がやってきて沐浴をしている。「ナマステ」と手を合わせて挨拶したら「ナマステ」と返してくれた彼らはカルカッタから来た巡礼団。この後カイラス山へ行くという。

20世紀の調査によってマナサロワール湖が4大河の源流という説は否定されたが、インダス河とブラフマプトラ河のふたつはここから近いところに源流があることが確認されたので、太古の行者の見立ては大きく違ってはいなかった。

マナサロワール湖は清瀧大権現さまの生まれ故郷でもある。

清瀧大権現さまは、弘法大師 空海が日本に帰朝する際に招来した天地宥和の神さま。もともとは長安の青龍寺にいらした神さまだが、海を渡って日本にいらしたことからお名前にさんずいがついている。

チベット人やインド人はもちろん、日本の密教の修行者ならば一度はマナサロワール湖を詣でたいと思っているに違いない(たぶん)。

マナサロワール湖からカイラス山を望む。
そして夜になる。