灼熱の金属を職人たちが叩いたら、涼しげなガムランの旋律が聞こえてきた

インドネシアを語るときに欠かせない楽器ガムラン。金属の鍵盤が鳴らす音色はいつ聴いてもうっとりする。今回は、その製作工房を訪ねてきた。

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ジョグジャカルタから西北へ車で2時間、古都スラカルタの郊外にある工房を目指して、車は田園風景を走る抜ける。

インドネシアらしいのんびりとした道路。

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ようやく目指す村に到着した。
ガムラン工房はこの先にある。

工房は、工場の経営者の自宅と一体になっている、日本でいう町工場だった。洗濯物がたくさん干してあって生活感あふれる工房だ。

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奥の扉を開けると、火花が飛び散る光景が目に飛び込んできた。

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すごいすごい。真っ赤に焼ける金属から伝わる熱気にカメラを持つ手が瞬時に反応した。Panasonic GH5のファインダーを覗いて町工場の雰囲気をパチリ。

真っ赤に焼けているのは青銅。大きな塊を火からあげて、職人たちがハンマーで順序よく叩いている。この段階で青銅はすでに楽器らしくなっており、一打ごとに澄んだいい音が響いた。

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青銅はかなり大きいから銅鑼の一種のようだ。職人たちが持つハンマーは大きさがそれぞれ違う。鍛えるために叩いているはずだが、その音がすでに音楽になっている。まるでブレガンジュールの演奏を聴いているかのようだ。響きがどこか涼しげなのが不思議な雰囲気。

何度か打たれたら、青銅はまた火にくべられる。

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ぼくがこの作業場に入るまでに、職人たちはこの一連の作業を何度繰りかえしてきたのだろう。いま見ている青銅も、この音が出るまでにそうとうな時間がかかっていることと思う。

外では、銅鑼楽器レヨンとおぼしき青銅を削る職人が何人か作業をしていた。

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ガムランは、金属を熔解し鋳型で形を整えるだけでできる楽器だと思っている人もけっこういるようだが、実際には、村の楽団が資金を貯めてから発注し、職人たちが時間をかけて手作りしている、かなり高価な楽器なのだ。

この完成品セットはマレーシアの楽団からの注文品。検品して音を確かめていることろ。

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どこを叩いても、ものすごく澄んだ音が響いた。優れた楽器の音をしかとこの耳で聴かせてもらったよ。

この工房はバリ島からの注文も受けているそうだ。もしかしたらこれまでにどこかの王宮のお祭りでここの楽器の音を聞いたことがあるかもしれないな。

職人たちが灼熱に燃える青銅を叩いている動画を撮ったよ。1分ほどなので見てみて!