電気のでんこちゃんは今どこに

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中央アジアには、アフガスタンやカザフスタンなど、国名にスタンという文字がつく国がいくつもある。スタンとは、ペルシャ語系の言葉で「家・土地」のこと。英語の「ランド」みたいなものだ。

スペインでは、スタンと名がつく国の政府は怠惰で、無計画で、腐敗が激しく、そして国民は不合理と貧困にあえいでいる、というイメージがある。

いやいや、それって当のスペインのことじゃん、と思ったアレイシュ・サローという漫画家が、不動産バブル崩壊をモチーフにして、イスパニスタンEspañistanというアニメをつくってYou Tubeに投稿した。見たければEspañistanで探せばすぐに見つかる。それがあたって、最近はスペイン(スペイン語でエスパーニャEspaña)のことをイスパニスタンと呼ぶのが一部で流行っている。

なお、「スタン」と名のつく国をイスラム教の国と誤解する向きもあるが、関係がない。ヒンディー語でイングランドをイングリスタンというように、英語の「ランド」に当たる言葉が「スタン」でなだけで、単に「家・土地」の意味しかない。

ともあれ、政府や企業に責任感が感じられないのはスペインだけではない。

日本(ジャパニスタン)はどうであろうか。

テレビや新聞は、東電からいろんな形で金をもらっているから、原子力発電に不利になるニュースをほとんど取り上げないようだ。ときどき、思い出したように東電を批判することはあっても、原子力発電に携わるその他の企業を、例えば原子炉の製造メーカーである東芝に切り込んでいくこともない。マスコミは、きわめて慎重に、取り上げるべき情報を選んでいる。

今年3月29日から、首相官邸前で毎週行われていた反原発デモも黙殺していた。首相官邸前には記者クラブがあり、これまでも各新聞社・テレビ局の記者は皆デモを見ているのに、知らん顔していたのだ。しかしネット上で大きく話題になって、6月29日には参加者数万人(ウォールストリートジャーナル誌調べ)を数え、さすがに無視できなくなったのかようやく報道を始めた。

それでも、朝日・毎日は比較的大きく取り上げているが、日経は仕方なく小さく取り上げ、読売は無視、と向かい方には差がある。

一方、東電はこの冬のボーナス支給の原資として、電気料金の値上げを決定した。事実上の倒産状態にある企業とは思えない、厚顔な姿勢だ。「ボーナスが出ないと労働意欲がそがれるから」という理由らしいが、ぼくらがなぜ事実上の倒産企業である東電社員の冬のボーナスを負担しなければならないのか、理解できない。そういう理由なら、経営危機にあるあまたの民間企業の従業員のボーナスも政府が補填したらいい。

ところでぼくは、一昨年まで東電がさかんに宣伝していた「オール電化住宅」を、二酸化炭素排出量が少ない、エコでよいものだと思っていて自宅でも取り入れるつもりでいた。
ところがだ。出力調整が比較的容易な火力発電と違って、原子力発電は一度動かしたら出力調整ができない。昼間の消費電力に合わせて出力を高く設定すれば、夜間はとうぜん電力が余る。それを消費させるために、深夜電力割引を前面にして推進されたのが「オール電化住宅」だったことを、最近になって知った。

エコなつもりでいて、原発の推進に荷担していたのであった。
無知であった。

ジャパニスタンにも問題はたくさんある。

それは、自分に直接かかわる問題だというのに、当事者意識が薄かった。
311以降は、「オール電化」という言葉を聞かなくなった。

そういえば、電気のでんこちゃん(内田春菊がデザインした東電のイメージキャラ)はどうしたのかな。彼女も、すっかり見かけなくなった。

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