ジッツォ トラベラー GK2580

撮影機材

ジッツォの三脚に、トラベラーというシリーズがある。
脚を通常と反対側に折りたたんで、コンパクトに収納できる旅行向きの三脚だ。

旅行だけでなく、都内の電車移動や、人混みを歩くときでも、三脚がコンパクトなことは有難い。ぼくが使っているのは、パイプ径28mmの2型三脚GK2580TQR。主に、徒歩の移動が多いときに持ち出している。

2014年に型番がGK2580TQDにあらたまったが違いは少ない。

GK2580TQRの三脚本体は縮長435mmと短いから、国内線の空港でも手荷物制限の長さに引っかからない。機内手荷物にできて便利だ。雲台部分がないだけで、こんなに小さくて便利になるとはね。剛性については文句なし。

設計の見直しで、脚の付け根がオーシャントラベラーと同じ構造になり通常の三脚よりもねじれ剛性がアップ、最強の三脚となった。AF-S 70-200/2.8VRぐらいなら問題なく使用できる。

付属の自由雲台は手放した

GK2580TQRには、GH2780TQRという自由雲台が付属してる。
この雲台のクィックプレートはジッツォ独自の方式で、よくあるアルカスイス型と互換性がない。そこで、この雲台を処分して、別の雲台を取りつける人が多い。

GK2580TQRに着けられる雲台は、折りたたんだ脚に干渉しない形でなければならないため、選択肢は少ない。ぼくはReally Right Stuffの自由雲台BH-40を持っているけどこの理由で装着が出来ない。

代替として人気が高いのはMarkinsのQ3Tという韓国製自由雲台だ。こいつはマイナーチェンジ時にGK2580TQRに最適化して設計しなおされたそうで、脚に負けないクオリティでしっかり作られている。評判を聞き購入しスペインへ持って行ったりしたのだが、ノブを8回も回転しないとクィックシューの脱着が出来ないことが煩わしいのと、デザインがなんとなくマッチしないこととで、使い続ける気がなくなった。忙しい撮影中、ライターさんや編集さんが見ている前でノブを何度も回していたらイライラされちゃうからね。「なんかそれ時間かかりますねー」とか実際に言われたこともあるし。

ライカの自由雲台を装着

使い勝手の点からいってノブの回転は5回までに押さえてほしい。他のメーカーはみんなそれくらいだ(そういう要求が多かったのか、最近になってクランプ式も追加発売された)。
で、MarkinsのQ3Tを手放すことにして、中野のフジヤで雲台をあれこれ見ている時に見つけたのがライカの自由雲台。シルバーボディに赤いライカマークが格好いい。GK2580TQRに試着したらあつらえたようにピッタリだったので、感動して即座に購入してしまった。

デザインが美しいだけでなく、使い勝手も抜群によい。

大概の自由雲台は、構図を決めてから手を離すと、やや下向きにずれる。ずれを見越して構図を決めなければならないが、ライカはそんなダルイ設計になっていない。軽く締めればピタリと止まる。ボールに溝が切ってあるのがその秘密らしい。ライカの三脚だからといってライカM型にしか使えないわけではなく、中型カメラでも使える剛性があるのだそうだ。

ライカは雲台も精密機器

ライカの雲台は、緩めたときも適度なテンションがあってボールがなめらかに、かつゆっくりと回すことができて使いやすい。多くの自由雲台はテンションがなくスカスカ回るのだが、ぼくはそういう自由雲台が苦手だ。

ふだんはカメラを雲台に直接ねじ込んでいるが、これにKirkの小型シューベース(クィックリリースクランプ)を付けることもある。これもノブ式だが5回転でしっかり止まるから気持ちよく使える。
とにかく格好いいし操作しやすいしピタッと止まるし、最高の雲台である。

サイズの実測値

さて、重さや高さの実測値は

重量1532g(GK2580TQR+ライカ自由雲台セット)
重量1297g(GK2580TQR単体)
全高1350mm(センターポール格納時)
全高1550mm(センターポール最大伸張時)
縮長435mm

ぼくの身長は173cmだから、センターポールを延長したときにちょっとかがむ程度でファインダーアイポイントが眼の位置に来る。GK2580TQRの場合は延長といっても足を開いた時点でセンターポールがもともと高い位置にあるから、下げる必要がなくて便利だ。

GK2580TQRは、セッティングの際は折り返されている脚を開かなければならないがそれが面倒に感じることはあんまりない。

トラベラーシリーズは、その名の通り旅行に最適だし、普段使いでも重宝する。
機材をコンパクトにまとめたい人にお勧めの三脚だ。

三脚ケースは、ラムダの三脚ケースSSサイズを使っている。
布製で、長さを自由に調整できるから袋の中で三脚が遊ばないのがよい。
出先でのちょっとした移動のときにGK2580TQRをいちいち折り返さずにたたんで収納できるのはラムダの三脚ケースだけだ。

それから、GK2580TQRは、雲台を交換する人が多いからだろう、本年9月に雲台なしバージョンが発売された。型番はGT2542T 。これからトラベラー2型を買う人で、雲台を自分好みのものに変更したい人はこちらを選ぶとよいだろう。

ジッツォ付属雲台 GH2780TQR の嫁ぎ先

さて、GK2580TQR から取り外した自由雲台GH2780TQR は、中古として手放せばちゃんと買い手がいる。というのも、市価29800円前後で売られているジッツォの自由雲台GH2781TQR とほぼ同じ品だから、ジッツォの雲台が好きな人には安く買えるチャンスだからだ。

しかし、取り外したGH2780TQR には問題がひとつある。
普通、雲台についているネジはメスネジなのに、これはオスネジだ。しかもそれが強固に接着されているのか、どうやっても外すことができない。これではたとえ安く買っても三脚に取りつけることができないではないか。

ネットではこの点がよく話題になっていて、GH2780TQRの嫁ぎ先について価格コムでもスレが立っている。それにしても価格コムは、何十人も集まってきて、どうしてこういう展開になるんだろうか。ここで書き込んでいる人たちはジッツォの三脚を本当に使ったことがあるんだろうか。

実際にジッツォの三脚を使っていれば、どうすればこの自由雲台を他の三脚に取りつけられるか分かる筈だ。答えは簡単。雲台のオスネジを外すのではなく、三脚のオスネジを外せばよい。ジッツォの三脚は太ネジと細ネジ(ドイツ規格とJIS規格)を交換するためにネジを簡単に外せるようになっているのである。

苦労して雲台のオスネジを外す必要はまったくない。

GH2780TQR をマウンテニア 2型に取り付けたところ。
何にも難しい事はなく、あっという間に装着できる。

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Posted by ariga masahiro