海外旅行で不慣れなチップ、相場はいくらか? 実はチップが不要な国も多い

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海外旅行初心者向けのウェブサイトや雑誌に、「海外のレストランではチップを10%渡すのが常識」と書いてあるのをよく見かける。

チップは世界共通の常識ではないよ

もちろん、そんなことはない。チップは海外共通の常識ではない。例えば日本の隣国で、人口13億以上を擁する中国にチップの習慣はない。中国ではホテルでもレストランでもタクシーでもどこへいってもチップは払わない。

オーストラリアやニュージーランドでもチップはおかないし、キューバでもやっぱりおかない。

世界の約180ヵ国のうち、チップという習慣がない国は多い。ただし、チップ制のない日本でも旅館の仲居さんに心付けを渡す習慣があるくらいだから、状況によっての例外はどこの国や地域でも多かれ少なかれありうるけどね。

世界は多様なので、世界共通のチップの相場なんてものはない。「海外のレストランではチップ10%は常識」などと大ざっぱすぎることを書くライターは、海外経験が少ないまとめライターか、たんなる物知らずか、どちらかだろう。

ヨーロッパにもチップのない国がある

ヨーロッパのチップ事情も様々だ。

チップの発祥といわれる英国にはレストランで10%のチップを置く習慣がある。これは、よいサービスに対する感謝の気持ちとして置いていくものだから、10%という標準は厳密ではなく、サービスに満足すれば多く渡すし、不満があれば笑顔でチップを減らして気持ちを伝える。チップの額もコミュニケーションのひとつだ。ごくまれにだが、腹が立つほど悪い接客をされたらチップはゼロで応酬することもある。

ポルトガルではチップを置く習慣はほとんどなく、食堂や中級レストランでよっぽど気に入ったときにおつりのごく一部を置いていくことがあるくらい。安食堂では置かない。また、北欧のように福祉が発展している国はチップはおかない。

スペインなら、二人でレストランで料理を楽しんだら合わせて1ユーロ置いておけば充分。高級レストランならもっと置いてもよい。カフェならお釣りの10センティモ玉を置いておくくらい。

アメリカではチップは置かなければならないらしい

一方、アメリカ合衆国では店員の態度がどんなに悪くても決められたチップの額を置かなければならないそうだ。そういう社会的約束になっているらしい。

ぼくはヨーロッパやアジアへはよく行くけれど、アメリカへはほとんど行ったことがないから友達から聞いた話を書くと、ニューヨークのレストランで食事をしたときに店員の態度が非常に悪かったから抗議の意味でチップを置かずに店を出たら、追いかけてきて請求されたそうだ。まったくひどい話だ。そんな(客から見て)非礼なことは、体面を気にする英国では起きない。

よく「欧米では」とひとくくりで表現されるけれど、欧と米はだいぶ様子が違う。

というわけで、世界の約180ヵ国では、人種も文化も習慣も宗教も様々だから、十把一絡げに「海外ではこれが常識」なんて安易に言えることはない。

チップの必要な国でチップを払わないケース

ところで、大変重要なことだが、レストランやホテルの勘定書にService chargeと書いてあったらそれがチップのことだ。したがって勘定書の合計額の他にチップをおく必要は全くない。

こういった勘定にチップを合算して請求する店では、メニューに“Service charge is included”という意味の文言がどこかに書かれているから、注文を選ぶときに確認しよう。普通は、メニューの表紙か、各ページ下に記されている。

勘定に加算されておらず、去り際にテーブルの上にチップを置いていく種類の店では、メニューに“Service charge is NOT included”という意味の文言が記されているから、簡単に判別できる。英語の表現はほかにもいろいろある。例えばService charge will be appreciable(サービス料が加わります)とか。よく確認しておこう。

しかしながら日本人はチップに慣れていないため、勘定書に書かれたService chargeを払ったのに、さらにその上テーブルの上にチップを置いていく人が時々いる。これはチップの二重払い。まったく必要が無い。

くれぐれも、勘定を払うときは請求書にService chargeと書いてあるかよく確認しよう。請求書に書いてあったらそれ以外にチップの必要がないのは世界のどこへいっても共通だ。