ミシュランの一つ星レストラン、ベルカント

ポルトガル

前回の記事の2枚目の写真は、リスボンのシアード広場からカモンエス広場方向を見たもの。道路には28番の市電も走っている。

このあたりはリスボンで最も賑わう繁華街。東京でいえば青山にあたる場所だ。とはいっても町全体が田舎風情なリスボンだから、雰囲気は青山というより根津みたいなかんじかなあ。シアード広場周辺だけは表参道みたいかもしれない。

2012年にミシュランの星一つがついたベルカントBelcantoは、シアード地区の国立劇場に面している。

昼間は広場からの光が店内に差し込んでいる。
リスボンのレストランで、このところ抜きんでた存在となったのが、ここベルカントのシェフ、ジョセ・アヴィレス。先頭集団から突然一人抜けて走る陸上選手のように圧倒的に注目を集めて走っている。

奥の青い貝殻が前菜。
白い泡は波打ち際を表現していて、食べると潮の香りがする。

波に包まれているのは貝や、丸く切ったメロンなど。これらをまとめて食べると、潮の香りと魚介類の味が口に広がる。

手前のメイン料理はレイタオン(子豚のロースト)。
皮がパリパリしておいしい。黄色いのはオレンジのソース。

このレストランのセカンドシェフは日本人で、ポルトガルに10年滞在して修業を重ねているそうだ。去年の夏休みは世界一のレストランと名高いデンマークのノーマで短期修業してきたとか。

近年、フランスの名レストランには日本人の存在が欠かせなくなっている。以前なら日本人は見習いとしてフランス料理のワザを学ぶだけの存在だったが、今ではメインのシェフが日本人から日本料理のエッセンスを学ぶ時代になった。特に魚の扱い方は日本人が世界最高の知識と技術を持っている。メインとセカンドが、お互いに学び合う構図になっている。
リスボンでも同じでも、その構図は同じだった。

もしかしたら、ベルカントに星がついたのは日本人が右腕としていたからかもね。と、潮の香りがする前菜を食べながら、思った。

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