スペインに、日本のサムライたちの子孫が住む町があった

約400年前にスペインを訪れた伊達政宗の遣欧使節団の子孫が、アンダルシアの地でいまも暮らしているという。大河グアダルキビル沿いのコリア デル リオという人口3万人の町だ。

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慶長19年(1614年)、その前年に陸奥国石巻を出港した遣欧使節団は、ほぼ一年かけてスペインに到着し、この町に数日滞在した。 一行は伊達政宗の家臣支倉常長が率いる約30人。現在のコリア デル リオには支倉常長の銅像がたっている。

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遣欧使節団はその後セビーリャからマドリードへ向かい、スペイン国王に謁見してからローマへ向かった。

支倉が率いた使節団は日本人が初めてヨーロッパに外交団を送るという歴史的な出来事であるにもかかわらず、その目的は意外なことにはっきりとわかっていない。豊臣家滅亡前に組織された使節団であるため、いまだ戦国時代が終わっていないと考えていた伊達政宗が天下を取るための外交策をくわだてていたのではないかという説もあるし、逆にスペイン帝国の宮廷内闘争に利用されていたという説もある。

いずれにせよ遣欧使節団は日本国の威信をかけて多大な資金を投入して編成された。そして一行はヨーロッパで大歓迎されたものの最終的には充分な成果を挙げられずに帰国することになった。その理由もよくわかっていないが、徳川幕府の鎖国政策が関係したともいわれている。

元和2年(1617年)、支倉一行はコリア デル リオを経て帰国の船に乗った。帰国申請をしたのは19名だったとされ、正確な数はわからないがこのとき9人前後の日本人がコリア デル リオに残ったといわれている。

ハポン姓を名のる人々

コリア デル リオはアンダルシアの州都セビーリャから南西へ直線距離にして約12km。ローカルバスで約45分。 人口3万人の町だから大通りは結構活気がある。

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市庁舎にはなんと日の丸が掲げられている。

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スペイン広しといえども市庁舎に日の丸が掲げられているのはこの町だけであろう。観光地の大型ホテルに日の丸がかかっているのはよく見るが…. 市庁舎の一階には日本語で観光案内所の看板もあった。

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しかし、おそらく訪れる人がほとんどいないのであろう、

残念ながらそのドアは閉められていた。 すると、たまたま通りかかったおじさんが話しかけてきて、市庁舎の中に案内してくれた。市の役人は観光案内をしてくれるというほどではなかったが日本語のパンフレットや地図をくれた。

続いておじさんは、市役所の向かいの図書館にぼくを案内してくれた。図書館の司書は名前をハポンといった。

ハポンとはスペイン語で日本の意味。英語のジャパンと同じ。 この町にはハポンという姓を持つ人がおよそ600人いる。

記録によれば最初にハポン姓が確認されるのが17世紀中ごろ。支倉使節団が帰国した後のことだ。これらのことから、ハポン姓は支倉使節団の随員の子孫であろうとこの町の人は考えている。

おじさんや司書さんと別れて、グアダルキビル川に向かって歩いていると、ここでも通りかかったおじさんにどこへ行くんだと話しかけられた。侍の銅像がある公園へ行くといったら道順をアンダルシア人らしい大声で説明してくれた。 スペイン人はたいがいぶっきらぼうなものだが、この町は例外だ。コリア デル リオの人は目が合うとにこっとしてくれる人が多い。それというのもこの町の少なくない数の人が日本人の子孫だとされているからだろう。 そうこうするうちにグアダルキビル川についた。

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7月の強い直射日光がふりそそぐ景色は、まるでメコン川のよう。まったりとした空気につつまれていた。

大河を望む支倉常長像

グアダルキビル川に面したカルロス デ メサ公園の一画に侍の銅像はある。

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はたして、支倉常長像は自身が船に乗ってやってきたグアダルキビル川を向いて立っていた。

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なぜか鳥居を背にしている。ヨーロッパの人にとって鳥居は日本の象徴だが、日本人の目でみるとなんかヘン。 支倉常長像前の道はPaseo de la Embajada Keicho(慶長使節団通り)と名付けられていた。

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鳥居の上では鳩の夫婦(?)が羽を休めている。

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白い家並の町

町の中心にあるサンフアン通り。33段の階段を支倉常長も登ったことだろう。

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階段の上に建つ小さな教会はエルミタ デ サンフアン バウティスタといって、支倉使節団が石巻を出港したときに乗ったガレオン船と同じ名前。支倉常長はここに滞在したとされる。

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炎天下に歩き回って暑くてかなわん。アンダルシアの夏の気温は40度を軽く超える。カルロス デ メサ公園入口近くはバルがならんでいて、エアコンのきいたバルに入った。

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まったくなんでもないフツーのバルだ。 ランチ替わりにタパスを2皿頼んだら結構おいしかった。小イカをまるごと鉄板で焼いたのと、フラメンキン(生ハムとチーズ入りロールかつ)。1皿3ユーロ。味にはこだわりがある店のようだ。

ここのおじさんもやけにニコニコと応対してくれたなあ。 バルの目の前がセビーリャへのバス停だったから、バスが来るのを涼みながらのんびり待つことにした。

コリア デル リオへの行き方

セビーリャからコリア デル リオへはローカルバスが2路線ある。 ひとつは、バスターミナルのプラサ デ アルマスから142番コリア デル リオ行きのローカルバスに乗って終点で下車。毎時40分発。所要50分。料金1.65ユーロ(約190円)。

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もうひとつは、Palacio de San TelmoわきのPaseo de las Deliciasにあるバス停から140番 Puebla del rio行きのローカルバスに乗ってコリア デル リオで下車。

15分おき程度に便がある。所要40分。コリア デル リオの停留所は上の写真のバルの前。 地元の人はコリア デル リオを単に「コーリア」と呼んでいる。運転手に「コーリア?」と確認して乗ろう。

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