高野山に宿泊した。日本最高の霊場で、死者たちに祈りを深める

日本最高の霊場である高野山は、現在は和歌山県にある人口3200人ほどの町だ。町内には小学校から大学まであり、ご飯どころもコンビニも少ないながらちゃんとある。ここはもっとも賑やかな町の中心。

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ここから奥の院の方向へ5分ほど歩くと朱色の印象的なパゴダが建っている。太平洋戦争中のビルマ〜インパール作戦の戦没者慰霊塔なのだそうだ。

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慰霊塔の向かいに、12世紀に開山した持明院というお寺がある。

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持明院は建物が宿坊になっていて、今回はこの寺に泊まることにした。

高野山には117の寺院があり、その半数が宿坊を営んでいるそうだ。

坊内の雰囲気はすばらしい。

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建物そのものが美術館か博物館のようだ。
こんなところに泊まれるなんてステキ。うっとりしてしまう。

お、見たことのある掛け軸がかかっているぞ。

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お市の方ではないか。

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織田信長の妹で、この時代で最高の美女と謳われたお市の方。

20歳で浅井長政の妻となり、3人の娘を生んだ。長女の茶々は長じて豊臣秀吉の側室にむかえられ秀頼の母となった。三女の江は3回結婚して、最後の夫は江戸幕府第2代将軍 徳川秀忠。日本史の重要なシーンの主要な登場人物となった姉妹だ。

美人のお市の方は36歳の若さで自刃して果てた。

いずれも大河ドラマに頻繁に登場する女性たちで、茶々を演じたのは2016年の真田丸では竹内結子、14年は二階堂ふみ、11年は宮沢りえ、2009年は深田恭子と2年おきにそうそうたる女優たち。茶々はお市の方によく似ていたという。

お市の方の肖像としてたいへん有名でおなじみのこの絵は、持明院の所蔵だったのだね。ただしここにかかっているのはレプリカ。本物はしまってあるそうだ。

楽しみは精進料理

ぼくが通されたのはいちばん奧の部屋。窓が2方にあって明るくて過ごしやすかった。標高800mの山中は朝夕が冷えるのでこたつが用意されていた。

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食事は精進料理。

部屋までお膳を運んでくださいます。

お膳で料理をいただくなんて、大河ドラマをみているようですね(おおげさ)。

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新鮮な素材の味が楽しめます。高野山伝統の高野豆腐やごま豆腐がおいしかったので、あとでお土産に買ってしまったよ(帰宅後に自宅の近くのデパ地下で売っているのをみつけて軽くショックだった)。

高野山の桜の見頃は4月下旬

部屋の窓から外を見たところ。

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ちょうど桜が咲いていた。

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うっとり。

持明院の境内にはなかったが、ソメイヨシノはちょうど満開か、これから満開といった時期だった。お花見にくるなら4月下旬がちょうどいい頃かな。

朝のお勤めに参座

朝のお勤めが6時半から行われた。宿泊者のほとんどは参座するようだ。お寺といえば朝のお勤めだからね。

参座者は30人以上いた。ぼくはダウンジャケットを着ていたがもっと軽装な人のほうが多かった。朝の気温は5度だから寒いのではないかな。

昨今は宿泊者の多くは外国人だそうで、本日の日本人率は3割ぐらい。6時半きっかりに読経が始まった。

二人の僧侶が廻向の祈りをこめて理趣経を読んでいた。本堂が暗くてはじめは気がつかなかったが、日本人の年配の夫婦の奥さんが、若い女性の遺影をもって座っている。娘さんだろうか。きっとそうだろう。

写真に写っている年頃の女性はどうして亡くなったのだろう。ご夫婦のこころの内を思うとぼくの胸も痛んだ。亡くなった当人も冥界でやるせない気持ちでいることだろう。

理趣経は廻向の力があらたかなので、ともに祈らせてもらった。