温泉を目指して、標高差900mの急坂を登りきった先で目にしたものは…

タマン族の古い村ガトランは、できれば数日滞在して写真を撮りたい、雰囲気のいい村だった。子供たちがカワイイですな。奧に標高6596mのランタンリルンII峰が見える。

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村に朝日が当たるのは8時すぎだった。

それまで気温4度だったのが、日向はたちまち気温が上がって22度にまで上昇して急に暑くなってきた。

9:00 朝日を浴びながら歩き始める

早朝の寒さを防ぐために着ていたダウンジャケットをバックパックに仕舞い、軽装に着替えてロッジを出発した。持ち物はカメラ2台と小さな斜め掛けバッグだけ。それ以外の荷物はポーターにおまかせ。

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ガトラン村からチリメ村までの道には、チョルテン(石造りの仏塔)が108基建てられているという。地震で倒壊したり再建されたりして、いま何基あるのかよく分からない。

なだらかに下るトレイルを歩いていく。

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下りきったチリメ村には水力発電所がある。チリメ川に架かる吊り橋を渡ると、こんどは標高差900mの登りにかかる。

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12:20 昼食どころに到着

丘の中腹チェルカ集落にある、小さなロッジに到着した。

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タマン族の若い夫婦が営んでいる食堂だ。ここでランチにダルバートを頼んだんだけど、客が少なくて下ごしらえをしておらず、注文を受けてからご飯を炊き始めるので食べられるのは1時間後くらいか。

この店は水力発電所から近いからかデータ通信圏内だった。時間はたっぷりあるし、テザリングでMacでネットに繋いでブログを更新してしまった。前回の記事のことです。

そうこうするうちに、ダルバートをつくって運んできてくださいました。

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なかなかおいしかった。料理上手な奥さんらしく、お手製のアチャール(こっちのピリ辛漬け物)はかなりのレベル。ここのアチャールは、トマト・コリアンダー・ガーリック・大根を小さく切ってバランスよく味に深みがあった。いい女将さんですな。

14:10 昼食を終えて登り始める

ロッジを後にして、更に20分ほど急坂を登ったら、その先は緩やかな登り道だった。

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歩き始めなんで、900mの急坂を登ったら脚がフラフラしてきた。

15:48 タトパニに到着

今日の目的地、標高2500mのパラガン村のはずれには、湯治場として知られた温泉があった。タトパニとはネパール語でお湯(この場合は温泉)のことだ。

温泉には外国人向けのロッジが5軒、ネパール人向けの宿が10軒ほどが集まっていて、かなり賑わっていた温泉だったようだ。それが、2015年の大地震でお湯が枯れてしまったため、いまでは何もない場所に宿が集まっている不思議な空間になってしまった。トホホ…

ぼくが泊まったピルグリム ホテルロッジ。

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ピルグリム ホテルロッジのすぐ裏に温泉跡があった。

すっかり枯れてしまって、露天の浴槽だけがむなしく残っている。

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かつては打たせ湯がここから流れ出ていたのだが…

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実は、ぼくは20年前にここに来て温泉に浸かったことがある。今と同じ浴槽だった。

しかし、当時は温泉周辺には一軒の宿もなく、湯治客が雨露をしのぐためにダルマサーラ(無料の巡礼宿)がただ一戸あるだけだった。ひとつ上の写真の奧にみえる家畜小屋みたいなのがそれ。

20年ぶりに中に入ってみた。

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特に変わった様子はなかった。地震で崩れることもなかったようだ。20年前はここに寝袋を敷いて寝たのだ。今では本当に家畜小屋として使われているようだ。

当時は、シャブルベシからここまでの間には茶屋が一軒あるだけで、ほかには宿も食堂もなかった。だからシャブルベシで米やタマネギを買ってポーターに持たせ、民家のかまどを借りてガイドにカレーを作ってもらって食べたものだった。

それが今では、ストーブを前にして夕飯が注文できるのだから凄いものだ。コカコーラでもビールでも注文すればでてくる。

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写っているのは今回雇ったポーターのパサン。たしか20年前のポーターもパサンといった気がする。よくある名前だけどね。

今では、宿はたくさんあるものの、客の数は温泉全体で1日に数名いるかどうか。ピルグリム ホテルロッジに泊まっているのはぼく1人だけだった。

この記事を読んだ方で、温泉の開発に詳しい方がいらしたら、ボランティアでここの温泉の再開発に協力していただければ村の人たちが大喜びすると思いますよ。浴槽の裏には、村の人たちが重機を使って掘削した跡が残ってるのですが、横に15mくらい掘ってあきらめてしまったようです。村人にはなんの知識も技術もないので、このまま湯治場が滅び行くのを待っているだけみたい。

滅んだら農家に戻るだけなんですが。

ぼくは温泉につかることは出来なかったが、快適なロッジがあるだけでも満足している。ベッドに寝袋を敷いてゆっくりと寝るとしよう。