AF-S DX 16-85 f/3.5-5.6 VR

撮影機材

ニコンの人気ズームレンズAF-S24-120mmのDX版として、 万を満たして2008年2月に発売されたのがこのレンズ。 その前年に ”あの” D3及びD300が発売されて、圧倒的なボディ性能の高さに写真界が騒然としていた頃のことだ。当然、本レンズがD300に見合った性能を持って世に出されたことは疑いなく、この上なく高い描写力が期待されていた。

ぼくはこのレンズを、発売後数日のうちに手に入れた。 手元のよりも一回り小ぶりなことに感心したものだ。 ズームレンジの割にコンパクトサイズで、解像力はどの焦点距離でも非常に高い。

10年前だったら考えられない高性能、これぞデジタル時代の申し子と言えるレンズである。散歩をしながらのスナップ的な風景写真を撮影するのに最適だ。 次の写真は、何年か前の旅先でのワンカット。 カメラはD90。APSサイズで1200万画素のカメラだ。RAWファイルをView NX2で、長辺500pixelに縮小現像したものと、部分を等倍で切り抜いたものを載せる。

長辺500pixelに縮小

カコミ内を等倍で切り出し

Photoshopのハイパスでシャープ処理

Model: NIKON D90
Lens (mm): 26
ISO: 200
Aperture: 8
Shutter: 1/60
White Bal.: Daylight
Picture control: Neutral

カメラ側の輪郭強調を一番弱め(10段階で1)に設定しているから一見すると等倍の描写は甘く見えるが、Photoshopでシャープネスをかければキリッとする。これがぼくのいつものやり方だ。

この写真を、A3にプリントしてフォトグラファー仲間に見せたら、細部まで克明に写っていると皆感心していた。APSで1200万画素あれば、解像力ではフィルムの135を軽く凌駕しているし、645には及ばないものの見劣りもしないことが分かる。 これを撮影したのは夕方で、光が乏しくなってきた時刻。

シャッタースピードわずか1/60にもかかわらず、手ぶれ補正機能のお陰で微塵のブレもなく、よく写っている。この手ぶれ補正はよく効く。

さすがにD800+24-120/4VRと画質の比較するつもりはないが、こっちの組み合わせのほうがずっと軽量なことから、お気楽に撮影したい旅レンズとしての実力は高いといえよう。

軽くてよく写るレンズだから、世界中へ持って行っている。 時にはサブレンズとして、時にはメインレンズとして。 結果的に、過去4年間で一番多く使ったレンズだろう。 このレンズは、12-24/4のインプレの時に述べたが、解像力に優れるものの階調が物足りないことがある。

また、ズーミングをすると全長が伸びる構造のレンズはあまり好きになれない。便利さと安価さを追求すればこうなるものだと分かっているし、その恩恵も受けているがやっぱりこれで満足はしていない。あと5万円高くなってもいいからAF-S DX17-55/2.8のようにしっかりした鏡胴にしてほしいな。そう思う人は少ないだろうけど。

広角域では、f8まで絞っても周辺光量落ちが結構めだつ。ただし、周辺落ちするレンズの方が作画しやすくて好きだから、これは短所ではなく長所だと思っている。 それから 16-85/3.5-5.6VRはAFが遅い。もう少し速ければ気分よく撮れるんだけど。

AF-S DX 17-55/2.8の爆速AFにはとても比べられない(値段も比べられないから文句はない)。 開放F値が3.5-5.6と暗いことには慣れた。 このレンズは風景写真に向くレンズだから、少なくとも5.6半段には絞って使うのが定石で、普段はF8に設定している。ボケ味はイマイチだし近接撮影時の描写力もイマイチだから、仮に明るいF値であったとしてもそれを生かせる使い道が少ない。

焦点距離の変化がバリフォーカル式(ズーム機構の一種)だからズーミングするとピントがずれるのも気になっている。このレンズは、構図を決めている間にズームリングが微妙に動いてしまい、結果的にピントがズレてしまうことがある。かなり注意しているのだが、それでも時折その失敗をする。これは、他のレンズではおきない(おきにくい)失敗で、16-85/3.5-5.6でのみ気をつけている現象だ。

いろいろ書き連ねてしまったが、世界中、どこへ行くにも必ず持って行くレンズだからこそ、気になる点も多いということか。

現在の所、遠景の高い描写力と取り回しのよさで、これに変わるレンズはサードパーティ製も含めて存在しない。

例えば、人気レンズAF-S DX 18-200 f/3.5-5.6 VRII は、ぼくも初代を2ヶ月待ちで買ったことがあるが、高倍率ズームレンズらしく画質はそれなりで、特に望遠側は壊れているんじゃないかと思ったほど描写に力がない。それから人気の高いAF-S DX 18-55 f/3.5-5.6 VRは描写はいいけど、A3に大伸ばししたときになんとかく絵が物足りない。ズームレンジも物足りないし、垢抜けない外観も物足りない。

16-85/3.5-5.6は、歩きながら風景写真を撮る、スナップ旅行に最高のレンズだ。

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