AF-S VR 24-120mm f/3.5-5.6G

撮影機材

このレンズはD700のキットレンズにもなっていたから、使っている人はかなり多いと思う。聞くところによるとカメラ雑誌のコンテスト入賞者で、最も多く使われていたのがこのレンズなのだそうだ。自分で数えたわけではないが、さもありなんだ。

ぼくはこのレンズをいつ購入したかよく覚えていないけど、Nikon F100に着けていたから2004年頃だったと思う。時代はフィルムからデジタルへと移り変わる最中で、写真界の明治維新のような激動の時代だった。この頃はデジタルを受け付けない人が結構いて、ぼくの周囲の編集者や印刷会社も「デジタルは色が悪い」「自分の目の黒いうちはフィルムを使い続ける」となどと言ってたものだった。

それに、ニコンはまだ135のフルサイズデジタル一眼レフを製品化しておらず、公式には「デジタルはAPSが適正なフォーマットサイズだ」と主張していた。だからこのレンズはフィルムカメラ用に設計されたものだ。

24mmから始まる標準ズームレンズは設計が難しいらしく、どのメーカーも高画質化に苦労しているらしい。その上ズーム域が120mmまであるこのレンズは設計も生産もかなり大変なものだったと聞く。そのため生産初期の頃は片ボケするものが散見されたそうだが、ぼくの個体は極めて調子がよく、どの焦点距離でもよい描写をする。

F100に着けて、プロビアを詰めて、街角をスナップ撮影すると、それまで使っていたレンズよりも色乗りがよく鮮やかに写るのが印象的だった。
それに手ぶれ補正機能があることが革新的だった。

プロビアは実効感度80だから、ちょっと暗いともうシャッターを切れない。それがこのレンズなら、それまでに撮れなかった写真が撮れるのだ。ぼくだけでなく、多くの人が待ち望んでいたレンズで、スナップ用にかなり人気が高かった。

NIKON D300
AF-S VR 24-120mm f/3.5-5.6G (120mm域)
f:6.3
ss:1/400
Exp. Comp.: +0.3
ISO: 800

このレンズは、絞り開放では描写が甘いが、F5.6半段に絞ると急に画面がしまってくる。フィルム時代はこういうレンズが多かった。だからぼくはこのレンズは開放絞り値がf5.6半段として使っていた。f8でかなりよい画像になり、f11まで絞れば後継機のAF-S VR 24-120mm f/4Gと遜色のない解像感が得られる。

特に85〜120mm域の画質はとてもよく、並の望遠ズームレンズとは一線を画す実力がある。
フィルムからデジタルへの過渡期に、8年間に渡って作られ続けたレンズ。

ぼくも、フィルム一眼レフとデジタル一眼レフの両方で使っていた。いや、今でも使っている。後継機のAF-S VR 24-120mm f/4Gに比べて軽くてとりまわしがいいから、状況に応じて今も便利に使っている。

一番上の24-120mm f/3.5-5.6の写真を見て、あれ?、と思った人もいるだろう。そう、DX用フードを着けているのだ。このフードはもちろん純正ではないが、フードが深いからきっちりハレ切りができる。それに、これを着けると見た目がぐっとよくなるから、結構お気に入りなのだ。

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