グゲ王国の遺跡にあたる朝日

チベット

朝7時半に目覚まし時計が鳴った。

撮影機材のNikon D7100を2台、レンズはAF-S12-24/4 と AF-S24-120/4VR、それに三脚を携えて民宿の外へ。朝7時半といっても北京時間なのでチベットでは実質的に朝4時半ぐらい。外はまだ真っ暗だが、東の空が白んできている。

電動バイクは、昨日練習したお陰で問題なく運転できた。
けれども宿泊している村を出て最初の坂を上り始めたところでパワー不足であえなく止まってしまった。真っ暗な道で何度もスイッチを入れ直すが、1mも進まなくなったので運転を断念。これ以降は歩いて上ることにする。せっかく昨日練習したのに意味がなかった…….

バイクを降りてからグゲ王国遺跡へは25分程度で歩いてこられた。
周囲はどんどん明るくなってくる。

この時期は、グゲ王城に朝日が当たるのは8時40分ごろ。
時刻的にはちょうどよいタイミングで到着した。
三脚を立てて、D7100をセットする。

グゲ王国は、9世紀にラサから落ち延びてきたヤルルン王族が統治した王国で、現在の遺跡は15世紀〜17世紀の王都跡で数千人が住んでいたという。王国滅亡後も仏教寺院には修行僧がいたし住民もいたが、1960年代に文化大革命がおきると中国人の紅衛兵がわざわざここまでやってきて完全に破壊して廃墟にしてしまったのだそうだ。なんということしてくれたのだろう。

丘の上の王宮から眺める周辺の大地。

グゲ王朝遺跡の周辺は、チベットのグランドキャニオンのような場所だ。

向こうにはヒマラヤ山脈と標高7816mのナンダデヴィ峰が聳えている。
1808年まではこの山が世界最高峰だと考えられていたが、その後ダウラギリやエヴェレストが測量されて世界一の座を譲り渡した。

あそこはもうインド領。ナンダデヴィ周辺は世界遺産にも登録されているインドの国立公園だ。そして近くにはガンジス河の水源地であるガンゴートリもある。ぼくは15年ほど前に氷河から水がごうごうと流れ出るガンゴートリへ行ったことがある。あのときはデリーからバスを乗り継いで山道をずいぶん時間をかけていったものだ。ヒマラヤの山奥だと思っていたが、あそこと、ここは、こんなに近かったのだなあ。

近くても決して往来はできない。