チベットのブッダ

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もともと、サンスクリット語で「真理を悟った人」がブッダbuddha。

ブッダは本来は普通名詞で、特定の人のこと指す言葉ではなかった。しかし紀元前6世紀頃、かのシャカ族のゴータマ・シッダールタが修行を完成して得た悟りは、それまで誰も達しなかった高みに到達した。

悟りを得たゴータマ・ブッダの言葉は、多く人にフォローされ、
やがて仏教として世界中に広がっていった。

これ以降、ブッダBuddhaといえばゴータマ・ブッダのことを指すようになった。
釈迦牟尼如来、お釈迦さまとも呼ばれる。ブッダは漢訳で仏陀と書く。

南方仏教では、今もブッダといえばゴータマ・ブッダその人を指す。だから仏像はそのどれもがお釈迦さま。下の写真は、スリランカの旧都キャンディにある寺院に祀られたお釈迦さま。世界遺産の地域にある。

一方で大乗仏教では、ブッダとはお釈迦さまその人のことのみではなく、お釈迦さまが得た悟りの内容(智慧と慈悲)を指している。お釈迦さまをブッダとならしめたのは智慧と慈悲だから、それこそがブッダの本質だと考えている。日本やチベットなど大乗仏教のお寺に、大日如来や観音さまをはじめ、いろんな姿の仏さまが置かれているはこのためだ。

仏の智慧は「宝冠」として表現される。
チベットの仏像は装飾性が高い。最高の智慧を表しているからだ。
下の写真は、パンコルチョーデの大集会堂の本尊、釈迦牟尼如来。

どちらの写真も「お釈迦さま Shakyamuni」だが、スリランカのお釈迦さまは「お釈迦さま本人」、チベットのお釈迦さまは「お釈迦さまの智慧」を形に表している。

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Posted by ariga masahiro