写真画像を無断使用されたので、使用料金をご請求申しあげた件【著作権裁判まとめ】
昨年4月、旅行会社のA社のウェブサイトにぼくの写真画像が無断で使用されているのをみつけました。スクリーンショットはこれです。
小さな扱いですが、プロのフォトグラファーという著作権で成りたつ仕事をしている以上、これを捨て置くことはできません。
ふつうは出版社でも広告代理店でもクライアントの皆様は1枚の写真に対してきちんと使用料金を支払ってくださいます。それなのにA社は画像を無断で使用したことで料金の支払いを免れるというのでは他のクライアントとの公平性がとれなくなります。
そこでA社に連絡をとって抗議したところ、無断転載を認めないどころか「当社を中傷するなら名誉毀損で訴訟します」との回答をいただきました。対策に窮したぼくはやむを得ずこちらからA社を著作権侵害で提訴しました。
そして裁判所という場において、このたびA社社長は「写真を無断使用した」というぼくの主張を全面的に認めて、これまでの行いを謝罪し、損害賠償に加えて慰謝料も請求額の全額を支払うとしました。完全勝利です。ようやくケリがつきました。
無断使用の発見から決着まで
2015年4月10日 写真の無断使用を発見
ある日、当ブログに掲載した写真を整理しているときのこと。この写真をみて胸中がざわつきました。
「パクられていそうだな」
スペイン・セビーリャの春祭りの写真です。インターネットブラウザのGoogle Chromeには右クリックで画像検索機能があり、世界中のウェブサイトから同じ画像を一瞬で探し出せます。
「やっぱり」
たちまち、ぼくの写真が勝手にトリミングされてA社のウェブサイトに使われているのがみつかりました。A社から使用許諾の申請をされたことはありません。
ただちに先方に連絡
まずは証拠を確保します。
- ページを別名で保存しておく
- ページのURLをコピペする
- ブラウザ上で右クリックしてページのソースを表示し、すべてコピペする
後で裁判をする可能性を考えると紙プリントしやすい「別名で保存」は必須です。また「ページのソース」は実はもっとも重要な証拠なのでおろそかにできません。いずれもテキストファイルにします。ついでにパクリ画面のスクリーンショットもとりました。
それからA社に「著作権侵害の抗議」というタイトルでメールを送りました。文章表現は角が立たないようにひかえめなものとして、3日後の日にちを指定して返事をくださいと書き添えました。
おりかえし「早急に返事をします」という主旨の自動返信メールがきたので、ちゃんとした会社だと思って安心しました。この時は。
2015年4月17日 内容証明郵便を送るも無視される
あにはからんや、返事はきませんでした。
普通の会社ならば3日以内どころか即座に返事が来るところですが、A社からは何の連絡もありません。しかし3日後に当該ウェブページは削除されました。
このときA社が相談に応じていれば、無断掲載といっても小さな扱いだからささやかな金額で手を打とうと思っていました。しかしメールを無視されてしまった以上は仕方がありません。損害賠償請求の内容証明郵便を送ることにしました。
料金の相談はしたくてもできないので業界標準料金を請求することにして、レンタルフォト業界最大手のアマナイメージズの価格表から料金を定めました。
アマナの定価料金は、広告目的で掲載期間2年間なら6万円。 そして割増金を2倍として合計12万円。これを請求することにしました。すんなりA社が払ってくれればいいのですがそうはならず、内容証明郵便もまた無視されてしまいました。
2015年4月27日 電話をかけたが相手にされず
それでも話し合いで解決できないかと思いA社に直接電話をして談判することにしました。
A社の連絡先は東京五反田にあります。電話したところ、運営は親会社である岡山県岡山市の建築会社 B組がしているため、ここでは詳しいことは分からないとのことでした。そこで岡山県に電話をかけ直してB組社長(A社社長を兼任)と話をしました。
しかしながら建設企業の社長という立場の方は著作権という抽象的な概念がわからないらしく、ぼくを「因縁をつけて架空請求する人物」と思っていらっしゃるようで話がまったくかみ合いません。それどころか「これ以上当社を中傷するなら名誉毀損で訴訟しますよ」「それでもいいのですか」との回答までいただきました。
残念ながら、社長との話し合いは物別れに終わりました。
2015年6月18日 とうとう提訴することに
こうなったら、こちらから提訴するほかありません。小さな写真1枚の盗用事件なので弁護士に依頼したら大赤字になることもあって、法律の素人ながら、自分で訴状を書くことにしました。
もともとぼくはこんなブログを書いているぐらいだから、何かを調べたり、文章を書くが好きなたちです。それに現代社会を生きていくのに法律の素養は必要なので、ちょうどいい機会だと思いました。
調べたら少額訴訟という簡単な裁判制度があることを知り、訴状を書き上げて裁判所に提出しました。
提訴の費用は弁護士に頼まず自分ですればたったの2000円だから(請求額が12万円の場合)、著作権侵害でお困りの方はじゃんじゃん提訴するといいですよ。
訴状の主旨は下記の通り。これだけです。
- 被告は、原告に対し、金12万円を支払え。
- 訴訟費用は被告の負担とする。
訴状はこんなふうに「支払え」と命令調で書くんです。ふだんならとても言えません(笑)
そしてこのあと3ページにわたって主旨の理由を詳細に書きます。 裁判所では書記官に訴状の文章を添削してもらって、裁判の日取りを決めました。
しかーし、この時、ひとつ失敗をしました。実は、旅行会社のA社は岡山県で運営されているにもかかわらず、スペインで登記されているのです。ということは日本の司法が及ばないのです。そこでぼくは親会社のB組を被告にして訴状を書きました。
しかし書記官はそれを構成上難しいと判断し、彼の意見で被告を「B組社長」に書きなおして提出したんです。 いろいろとややこしいです….
2015年7月24日 口頭弁論がはじまった
立川簡易裁判所で口頭弁論(裁判のこと)がはじまりました。 少額訴訟をおこしましたが被告の意向で通常訴訟に変更になり、この日が裁判の第一回です。追加費用はかからないから安堵する一方、不慣れなぼくは緊張しました。
裁判官はロマンスグレーが印象的な紳士で、にこやかに対応してくださってぼくの緊張をほぐしてくださいました。
被告の弁護士による反論は驚くべきものでした。感心したのでカコミ表記します。
原告の写真を使用したのは事実だが、ネット上でみつけた無料写真であるからB組に落ち度はなく、料金を支払う必要はない。
なんでもYahoo!Japanで検索語「セビリア 無料画像」でヒットした写真から選んだそうです。なんでぼくの写真が「無料」でひっかかるのかしりませんが、そんな検索語で著作権フリー画像を確実に探せると思っているとはITリテラシーがなさすぎです。
提出してきた証拠書類(笑)はこれ。
ずさんな証拠書類ですね。 これをみてぼくは自分の勝利を確信しました。
この日は被告が出席しなかったので、ぼくと裁判官とふたりで30分ぐらい話をしましたかねー。そして第2回裁判日を一ヶ月後に決めて閉廷。
で、翌月の第2回裁判では、やっぱり被告をB組社長個人に設定したのが法廷闘争するうえで下策ということになりました。このままでは勝てる裁判も勝てなくなります。社長職は有限責任ですからそりゃそうですね。
そこでこの提訴をいったん取り下げて、被告をB組に設定しなおしてあらためて提訴することにしました。
後から聞いたら、裁判所の書記官は単なる受付だから被告の変更のようなことに意見する筋合いはないんだそうです。書記官のいうことを真に受けるなと注意されました。そんなことは知りませんでしたよ。
なお、この頃、一度提訴を取り下げたことをもってB組社長が「裁判に勝ちました」と吹聴していたようですが、そんなわけないです。
2016年2月12日 仕切りなおして再提訴
その後は仕事がたいへん忙しくなり、なかなか訴状にとりくむ時間がとれませんでした。なに、著作権法によれば著作権侵害の民事の時効は発見した日から3年後だから急がなくてもよいのです。
年が明けて大寒を過ぎてからようやく新しい訴状を作成、提出しました。 このころから、この事件がネット上でささやかな話題になり、当ブログへのアクセスが増え、各方面からのご声援もいただきました。とくにB組の現役社員や元社員の方々からいただいた応援は嬉しかったですねえ。ここの社長はそうとう恨まれているようです。
2016年4月18日 裁判は意外な方向へ
今回の担当裁判官は、前回と違ってあんまり温和な感じではない方でした。開廷するなりいきなり和解を勧められまして、延々裁判をするよりも和解してすぐに終わるならそれはそれでいいかなあ、という消極的な気持ちもないではないし、少しのあいだ逡巡してから提案を受け入れました。
もし和解すると、損害賠償額の落としどころは請求額の5〜6割ぐらい、つまり6〜8万円でしょうかねえ。さっそく司法委員が電話で被告弁護士と和解交渉をはじめました。
しかし被告弁護士は徹底抗戦の構えで和解を拒否。
司法委員は額に汗をかきながらかなり長いこと交渉しましたが、ついに諦めました。和解不調を聞いた裁判官は一瞬だけ怪訝そうな顔を見せました。少額な裁判でもあり、通常はここで和解で落着するらしいのです。
それから裁判官はこちらを向いて「キミには弁論維持は難しいから、次から弁護士に頼んでみて」といってさっさと次の裁判日を決めてしまいました。 この裁判官はなんでタメ口なんでしょうか? それはともかく、弁護士費用がでない少額裁判のため本人訴訟でつらぬくつもりだったのですが、取り組み方が大きくかわることとなりました。
2016年4月29日 赤字覚悟で弁護士に依頼
こうなったら腹をくくるしかありません。
東京弁護士会の相談所へいって、著作権裁判に適任な弁護士を紹介していただきました。 弁護士をたてれば、著作権法にもとづく法律論の組立や、書類作成、裁判出席など必要なことをすべて行ってくださいます。ぼくは何もしなくていいんです。外国に滞在していてもOK。
気になる弁護士費用は合計14万円ほど。かなり赤字になりますがやむを得ません。これが日本の創作活動を守る一助になるならたいへん有益な出費です!
※弁護士の着手金が通常より少ないのは、すでにぼくが訴状を作成して裁判所に提訴済みだからです。通常は弁護士が訴状を作成するため着手金はこの金額ではありません。※
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2016年6月3日 裁判はさらに意外な方向へ
依頼した弁護士は、ぼくがこれまでに作成した証拠書類を元にテキパキと新しい書類を作成してくださいました。 さすがです。
それからこの裁判でぼくが赤字にならないように、損害賠償に加えて慰謝料を追加請求する書類を作成してくださいました。さすがさすがです!
損害賠償12万円+慰謝料30万円+諸費用=合計47万円を新たな請求額としました。弁護士さんによれば、裁判所が認める金額は少ないから、それをみこして多めに請求するんだそうです。なんかインド人の商法みたいですね。ここはインドか?
でもなんとか赤字にはならずに済みそうです。 さすがは弁護士です。
しかし、弁護士が着任通知を被告側に送ったら、裁判はますます意外な方向へ進みました。 通知送付からわずか3日後に突然! これまでかたくなに無断使用を否定していたB組社長が一転して自社の非を認めて謝罪し、請求した47万円全額を支払うと連絡してきたのです。法律用語で「請求の認諾」というそうです。いったい何があったのでしょうか? 弁護士共々あっけにとられました。いや本当に弁護士はびっくりしてましたよ。
請求の認諾(せいきゅうのにんだく)とは、原告の請求が正しいことを被告が認めることをいいます。争点がなくなったため審議の必要がなくなり、裁判は終了します。被告は、原告の請求の一部のみを認めることもできますが、本件では全部を認めました。完全勝利です。
著作権侵害裁判は完全勝利で終結
事実上の完全勝利をしました。A社(そしてB組)はぼくの主張をすべて受け入れてくださったので、今となってはまったく禍根はありません。
これも当方の弁護士さんのおかげです。慰謝料を追加請求してくださったおかげで黒字になりました。もっとも47万円全額がぼくのものになるわけではなくて、弁護士の成功報酬などを差し引いた30万円ほどになります。
弁護士費用がでない小規模な裁判だからと初めは本人訴訟にしましたが、結果的には弁護士にお願いして正解でした。
この30万円はちいさな写真1枚の使用料と考えるのではなく、ここに至るまでの作業費と考えています。訴状の書き方を調べては書きなおし、裁判に何度も出廷し、とこれにかけた時間を考えるとまあいいか、というところです。そもそも赤字覚悟だったので、弁護士の方には感謝しております。
これまでを振り返ってみますと
もともと小さな写真無断使用事件です。 本来なら2〜3回のメールのやりとりで決着がついてほしいできごとです。
しかしB組は相手を軽くみて対応を誤り、思いのほか長引き、結果的に支払い額が膨れ上がりました。業界にも知られて会社の評判にも傷がついたことでしょう。 「会社の業績に影響がでています」と社長自身から当ブログにコメントをいただいたくらいですから、同社の逸失利益は相当な金額に登ったようです。同社営業部はさぞこの件に振りまわされたことと思います。
無断使用した人に知ってほしいこと
現代はコンプライアンスが重視される社会なので、法令違反のコンプレインには"迅速に"対応したほうがいいでしょう。著作権侵害は事実を争う必要がないシンプルな案件ですから、あれこれつくろって結論を引き伸ばしても最終的には必ず負けます。
著作権侵害は、相手が個人であっても軽く見ないほうがいいでしょう。
無断使用された人に知ってほしいこと
フォトグラファーさんやイラストレーターさんなどプロのクリエイターなら、作品の無断使用をみつけたら即座に料金を請求しましょう。悩んでいてもモヤモヤするだけです。料金を支払っていただければ気持ちもすっきりしますよ。ふつうの会社ならメールを数回やり取りするだけで片がつきます。メール本文の文例はこちらの記事をご参照ください。
できればアマチュアの方も使用料を請求してほしいです。
そうして、写真画像の無断使用がみつかるごとに即座に料金請求されることが世の中に知れ渡るようになれば、やがてこういった事件も減ってくるはずです。 ネット上の写真やイラストには必ず作者がいて、自分の作品を大切にしているのだと、広く世間に知ってもらえるようにクリエイターみんなで声をあげていきましょう。
引用と無断転載の違いを詳しく解説しました
悪質なまとめサイトに苦しめられた記事
第2東京弁護士会がフリーランスの悩み相談をメールで受け付けています
ディスカッション
コメント一覧
問題の写真に関しての質問なのですが
被写体の4人にいくらお支払して写真を撮らせて貰ったのですか?
ボヘミアン湯ノ島 (@boheyu) さんは地方の動物園の入口でぬいぐるみ持たされて写真撮られたことないか?
帰りに1枚¥1000で買ってくれって言われることはあってもお金をもらえることはない。
勝手に印刷されて人目にされされてんだけどボヘミアン湯ノ島 (@boheyu) さんは逆に金取るんだ。
戦場カメラマンは、民衆一人ひとり敵の部隊まで乗り込んで許諾を得ていると。
北朝鮮潜入取材したら、みんなに金を払ってると。
もしそうならすごい。φ(..)メモしとこう。
報道写真は別でしょw
モデルならそういうことでしょ
告訴ではなく提訴でしょ
ご教示ありがとうございます。訂正いたしました。
さすがに素人(有賀さん)が一人で裁判に臨んできたので、
ずっと拒否ってれば折れると思われたんでしょう。
つまり相手は「悪いことしてる自覚があったのに完全に開き直ってた」と(笑)
最初から弁護士に頼んでおけば、もっと早期に解決した可能性も。
今後はNAVERまとめやDeNAが運営してるキュレーションサイトなど、
そういったパクリサイトをどんどん訴えていって欲しいと期待してます。
カメラマンさん同士で集団訴訟でも起こせば色んな意味でインパクト大です。
そうすることで法規制の強化や摘発も進む可能性もあります。
素人相手だから勝てると思っていらしたんでしょうね。きっと。
NAVERまとめやDeNAのキュレーションサイトも存在自体が大問題です。A社社長よりはるかにたちが悪い。集団訴訟はいいアイデアですね! ブログで仲間を募集しようかな?
1についてお答え頂けないのでしょうか?
被写体4人に対して売買目的の写真として撮影することの了解を得ることなく撮影し謝礼もしなかったということでしょうか?
答えませんよ。
仕事の進め方を見知らぬ人に説明するわけない。一昨日おいでください。
プロのカメラマンとしてやましい商売をされてないのであれば答えられる範囲のことだとおもうのですが。
被写体の方には許可をとっておらず謝礼もされていないという認識で間違いないでしょうか。
もしそれらを怠っているならばビジネスと呼ぶにはあまりに杜撰だと思いますしその写真で訴えを起こすのはもはやコメディの域だなぁと。
>プロのカメラマンとしてやましい商売をされてないのであれば答えられる範囲のことだとおもうのですが。
横からですが、それは「貴方がそう思う」だけではありませんか?
本当に、客観的な事実として「ププロのカメラマンとしてやましい商売をされてないのであれば答えられる範囲のこと」なのでしょうか?
何か、客観的な根拠を挙げられますか?
私は逆に「まっとうに商売をしていても、答えられない」と思いますよ
まっとうに商売をしている小売業の人が仕入原価を聞かれて答えるでしょうか
まっとうに商売をしている飲食店の方が料理のレシピを聞かれて答えるでしょうか
まっとうに商売をしているアイドルが実家の住所を聞かれて答えるでしょうか
答えられませんよね
これも、そういうことですよ。答えられる範囲のこと、ではないのです
>被写体の方には許可をとっておらず謝礼もされていないという認識で間違いないでしょうか。
これは「貴方がそう思いたい」だけではないでしょうか
仮に。仮に「答えられる範囲のこと」だったとしても
だからといって「答えなくてはならないこと」とは、なりませんよね
貴方はすべて、思い込みで批判をされています
答えられる範囲であるという根拠、
答えなくてはならないという根拠、
答えないのは無許可無報酬であるからだという根拠、
示していただけませんか?
通りすがりさんの意見に賛成です。
100円のおにぎりは、コンビニに入ってくる段階で種類によって55円~82円ぐらいで入ってきます。
ですが、近くのコンビニで「ちょっと全ての仕入れ値を教えてよ」と聞いても、そんなものを客に教える店長はいません。
ビジネスである以上、まっとうでも伝えられないことは多いです。
承諾や謝礼をしたかどうかを聞いているだけなので、仕事の進め方とは違うと思います。問題なければ「承諾を得ています」などと返せばいいだけなので…。
プロの手を煩わせて大変に失礼だと思います。「肖像権の侵害」については、少し勉強してから質問なさっては?
了解は不要、その時点での対価の支払いも不要、肖像権の侵害もない事例です。
肖像権の侵害をしない事例として、人物の撮影会、祭りの風景として人が写る、報道写真と
して参加者が写る、などがあります。しかし例えば被撮影者の個人が特定されて批判を受ける、あるいはプライバシーを侵害するような撮影がなされた場合は肖像権が侵害されたとみなされます。
但し、祭りなどの参加者(風景としての扱い)ではなく、インタビューとして個人を撮影した映像が、本来の報道でなくドラマや報道記録DVDなどとして商用に転用される場合は、被撮影者の許諾を得る必要が生じて、場合によっては対価の支払いも必要になります。
今回の場合は、祭りの(公開の場の)参加者であること、報道的性格であること、祭りの一風景であると使用者も考えて使用していること、非撮影者が撮影に同意する態度であると認められプライベートを侵害していないことが明確であること、撮影者が莫大な利益を上げておらず被撮影者が権利の逸失と主張していないこと、等々から、非撮影者の肖像権を侵害しておらず撮影の権利が認められると考えられますね。
これが二次的に雑誌や旅行番組に写されて利益を得た場合でも、風景・公人としてプライバシーが侵害されないものであれば問題はありません。
これをプロ本人に語らせようなんて、なんて無粋。なんて野暮でしょう。
肖像権侵害になるかどうかは、撮影者が被写体である人物に無断で撮影や公開をしているかどうかによって変わります。
被写体から撮影の許可を得ていたとしても、公開の許可を得ていなかったり、また、許可を得ていたとしても被写体が想定していた公開の範囲を超えていた場合は、肖像権侵害に該当する可能性があります。
5.へ
売買目的の写真ではなく、blogの画像を無断使用されたと始まってますが?
>>5
6でも書かれている通り、そこを丁寧に話をする必要はないと思いますが。
プロだからこそ、逆に明かしてはいけないでしょう?
>>5
これはblogに載せた写真の著作権を持っている主が侵害者に対して侵害の差し止めと損害賠償の請求という当然の権利を行使して金銭のやり取りが発生したというだけの話、どこに売買目的の写真なんて書いてあるんだ・・・
そもそも、この損害賠償請求自体はこの写真自体の価値に対してではなく、この無断使用を黙認した場合に発生する主の他の著作物に対する損害などが重点に置かれているように見えますが?
この無断使用を黙認してしまえば、本文にも書いてありますが他のクライアントの方との公平性が取れなくなりますから、他に商用で認めている著作物などの価値を下げることにもなり得ます。
これは周りの方から自分の著作物の評価を受けて活動しているプロの方にとっては十分に「損害」です。
著作権は著作物を製作した時点で発生する物です、その権利の行使の結果を歪曲して受け止めて「売買目的」などと噛みついているなら笑いものですし相手にされませんよ。
もっともらしい長文ですがぼくは訴えに関しては触れてないですしぼくの言いたいことへの批判になってないですよ。
アニメが無断コピーされて著作権侵害で訴えたって話をしている時に、
声優さんに幾ら払ったか教えてもらえますか?やましいことないなら教えてくれますよね。教えてくれないなら声優さんに謝礼も何も払ってなくて無許可で使ってたってことでいいですね、って言ってるレベルのつっかかりですね。
当然、あなたに教えたり説明する義務は無いですよね。
例えがオタク
反論できないからって流石にその返しは草生える
ラスクでも食ってろよ
そりゃ>>1に対してコメしてませんからねぇ>>5 枝 と書くか枝に直接書くべきでしたかね?そこはすみません。
>>もしそれらを怠っているならばビジネスと呼ぶにはあまりに杜撰だと思いますしその写真で訴えを起こすのはもはやコメディの域だなぁと。
というコメントが見えたんですけど、これで訴えに関して触れていないとか言われてもどういうことなのかわかりませんが・・・、ただ材料費を明かさないという理由だけで自分の作品で訴えを起こしたことを咎めているようにも見えます。
というか、個人のプロの方のビジネスとして捉えることができているならその大元の制作での手法を明かさない理由もまた解ると思いますがいかがでしょう?
著作権云々の前に被写体の方の肖像権は守られてるんですよね?って確認じゃないの
守秘義務とかあるにしても、値段は答えられませんが相応の謝礼はしてますよ〜くらいの返答で誤魔化せるっしょ
もし肖像権が守られてない写真がネット上を出回ってるとしたら、とんでもない人権レイプだし
何かみんな滅茶苦茶早口で言ってそう
この訴訟はずっと気になっていたので、結果が出て良かったですね。
あと、肖像権の侵害だのコメディだの人権レイプだのと、わけのわからない
勘違いをしている人がいるのでハッキリさせたいのですが、著作権・肖像権の侵害は日本では親告罪です。
当人同士以外の外野が、口を挟む問題ではありませんので、ここでは論外です。
被写体の4人の肖像権についての指摘は重要でしょう。
また、親告罪だから外野が口を挟む問題ではない、という断定は
いささか危ういのではないでしょうか。
何を根拠に、彼が彼女らの肖像権を侵害していると指摘しているのですか?
根拠がないなら、ただの言いがかりであり、名誉棄損であるとご自覚ください。
いささか危ういというのは、意味がわかりません。
何がどうなるのでしょうか?
「バンバン提訴しましょう!」と主張している方のブログに、名誉棄損レベルの言いがかりをつける人は実に度胸がありますね!思い込みだけで相手の不法行為を主張するのは止めといた方がいいんじゃないですか。
スクリーンショットの中の文章も、ブログや他社からのコピペですね。
ありがさんの提訴をきっかけに、この会社が著作権に対して正しい認識してもらえると良いですね。
肖像権とかギャラがどうとか見当違いのことを言ってる人が居ますね。
他にも喩え話が出ていますが、もう一つ喩え話。
たとえば、写真のプロでない人が、自分のブログやフェースブックに掲載した「自分自身の写真」が、本人の断りなく他のサイトで利用されていたとしても、同様の訴訟をして使用料や賠償金を求めてもいいんですよ。というか、求めるべき。
アマチュアの間でもweb上で盗作や無断転載など著作権の侵害が横行する近年、このようにまともに対応、対処していらっしゃる方のことを知れて、嬉しいです。良い結果で終わり、よかったですね。
ためになる記事をありがとうございます。
>>請求額全額を支払うことで和解を求めてきたのです。法律用語で「請求の認諾」
とても細かくて話の本筋とは関係ないですけど、法律用語としての「和解」は両者が譲歩して和解の合意をした場合に使われます。
請求の認諾は原告の主張を100%認めるものなので、原告側の譲歩もなく、また原告の同意も不要なので厳密には和解とはいいません。
認諾は敗北を認める宣言みたいなもので、原告の完全勝利であって、両者で落とし所を見つける和解とは別物です。判決に至らずに当事者の意思で訴訟が終了するので和解と混同されがちですね。
>>ギャラがどうこうと言ってる人
万一そこに問題があったとしても、それはモデルと写真家の間でケリをつける話であって、この訴訟とは別の話だよ
実際に謝礼を払っている、払ってないにかかわらず、相手が納得していればいいわけで、第三者には関係がない。
また、金額については使用料の考え方と一緒で、問題は相手が納得しているかどうかなので、額が違うケースもあるんだから、第三者に公開するデメリットの方が大きい。
結局、プロのカメラマンならやましくなければとか言ってるのは、リアルな世界に生きてない頭でっかち。
プロとかアマチュアとか関係なく、人物を写した写真を写した人物の許可もなくネットに上がること自体がマズイことは当たり前だと思うが・・・。
そこはプロだからとかではなく、許可を貰って上げてます、か、許可を貰っていないのでネットに上げるのは止めますのどちらかだと思うが・・・。
お前は当事者じゃないから関係ないって、プロ以前に基本的なマナー指摘への返信とは思えんな。
肖像権は親告罪だからとか言ったら、今回の件も見つけて訴えたからに過ぎなくなって、訴えられなければ別に構わんになるぞ。
つまり単に運が悪かったと。
今回のことをやったのはそうじゃないでしょ?。
当の本人がコンプライアンスを強調しているのだから。
詳しく要らないけど、コンプライアンス的に問題が無い様にしています位は言えるはず。
今回金になったのは、始めからその目的だった訳ではなく、あくまでも結果そうなっただけなので、まあ謝礼云々はそれとは別の事とは思うが。
これから今回の件とは別に、改めて有料写真として売るのであれば、また別だけど・・・。
まあ実際的なことを言えば、ツイッターのアイコンなどを含めれば、広告とかじゃなければ、そういうこと自体は溢れているけどね・・・。
個人的には、なんでもかんでも法的に問題だとすれば良いとは思わないけどね・・・。
18、19さんで完結してますね。
被写体と撮影者、当人同士が本当の意味で納得できているなら何も問題ないのです。
謝礼を出すプロも居れば、会話1つで快諾してもらえるプロもいる。
有賀さんがどのタイプかは分からないけど、
是非、ストレス無く仕事が続けれるスタンスを選んで貰いたい。
会話1つ、というのはプロとしては危ないな。後で揉める余地が無い様にしておくのがプロ。書面で許諾を貰っておくか、許諾の状況を録音・録画しておくか。何らかのそれを示せる証拠をキチンと確保出来ていてプロ。
妄想が激しい。
セニョリータたちに肖像権侵害で訴えられたら、割と高確率で負けます。お相手(被告) 選びはセニョリータのご気分次第。A社(B社)かもしれないしアリガさんかもしれません。
そんなことより、これだけ声高に権利の話をしておきながら、肖像権を突っ込まれてあんな分かりやすく動揺しちゃうのがいただけない。嘘でも、「もちろん全てクリアしてますとも☆ 誰だと思ってんだ、アリガさんだぞ!」ぐらい、言っときゃいいのにね。
もう1つ、こんな訴訟自慢してる時点で、自称プロかもしれないけど一流の人ではないんだな、という印象。写真をブログに上げた時点で無人ガレッジセールに出したようなもの。コピーライトもつけてないし。法的には勝てても、「鍵かけなかったら泥棒に入られた!」と息巻いてるのに近い愚かさがある。
発言に箔をつけるために専門家と名乗るやつですね。
それも自信のなさからきっぱりと専門家とは名乗れないのが虚しい。
コピーライトもつけてないしとか書いている時点で専門家でもなんでもないのがバレバレ
割ととか書いている辺りですでに怪しいのだがw
プロフォトグラファーとしての、作品管理意識の話だよ。もちろん、無断転載した方が全面的に悪いのだけど、写真に©を入れておくだけで「フリー画像だと思った」という言い逃れも出来なくなって、パクられる可能性は減るわけだし、プロとしてのリスク管理が足らないよ、って話。
訴えた、勝った、イエイ!
はプロとしては、自慢ではなくどちらかと言うと汚点だと思うんですよね。割と専門家としては(笑)
この記事が単なる訴訟自慢に見えちゃってる時点で専門家でもなんでもないよねって印象を受けるコメントですね。
皆さま、コメントをありがとうございました。
このエントリーはこの3日間で20万人の方に読んでいただいています。これまで応援してくださった方々、皆さまのおかげで裁判を続けてここまでくることができました。本当にどうもありがとうございました。
写真の無断転載に関しては今後も対策を続けます。次は悪質なキュレーションサイトの代表格 NAVERまとめ が相手です。楽しみにしていてください。
瞋恚
初めまして。
既に質問があるかもしれませんが裁判にかかる期間はどれくらいだったのでしょうか。
私自身も画像の無断転載に困っておりまして。
裁判のスケジュールはこう進みます。
1)裁判所に訴状を提出。その時に期日(裁判の日)を決める。4週間後ぐらいが多い。
2)簡易裁判ならその期日1日のみで終了。
3)被告の意志などで簡裁から地裁に移送されることが多い。地裁で審理の場合は両者の主張の中間で和解することが勧められ、1〜2回の期日で終了する。和解できない場合は、月に1回の期日を3〜4回程度して結審、判決。
こんな感じです。相手の出方によりますが、被告が法人でも、たいがいは裁判にも著作権にも素人だから、提訴されたらどうしていいか分からないみたいでジタバタすることがあります。
なお、この無断転載発見から裁判終了までを、当ブログで記事にしています。訴状の書き方や提訴の仕方も書いてありますので一度お読み下さい。
弁護士に相談して、裁判になる前にバッチリ損害賠償を得た、カメラマンの常見藤代さんのブログ記事「ブログ記事が無断転載され、弁護士を通じて損害賠償を払ってもらった方法について」も参考になります。
以上の著作権に関して、この三月にアサヒカメラの別冊が発売され、それにも詳しく載っていますので一度お読み下さい。写真関係でなくても、イラストレーターやマンガ家さんにも役に立ちます。
はじめまして、私も今回Instagramの写真を無断転載され、いつぞやに拝見していた有賀様の当記事を思い出し、倣って対応をさせていただいております。
大変勇気付けられております。僭越ながらブログ内にリンクを貼らせていただきましたので、遅まきながらご報告にあがりました。
もし不味いようでしたらご連絡くださいませ。よろしくお願いいたします。
https://kanacojpn.home.blog/
ブログを拝見いたしました。
インスタの写真を無断で商用利用されたとのこと、さぞご立腹かと推察いたします。
相手は通販業者なので、連絡先の特定がすでにできており、まとめサイト相手と違って裁判をする準備早く進められそうです。おそらく裁判をするのはこれが初めてだと思いますが、頑張って下さい!
そもそもA社とB社でけんさくしたけどそんざいしなくね?
社名がおかしいし
ほう、岡山県からのコメントか。B組関係者かねw
裁判お疲れ様でした。私も現在係争中の身です。
ちなみにですが、相手側の社員などから激励をもらったとのことですがブログ内で社名を公開していた(当時)のでしょうか?ブログに経緯を載せることで、逆に名誉毀損で訴えられたりしませんか?
私も経緯を公開しようか迷っています。
こんにちは。
係争中は、ブログに会社名・社長名を実名表記してました。
それどころか、被告社長が当ブログに実名でコメントしてましたよ(笑)。裁判で完全勝利した後に、一斉置換え機能を使ってイニシアル表記に変更しました。
伝え聞くところによると、被告会社内で「営業妨害だ」「名誉毀損だ」という声もあったそうですが、それで訴えられてはいません。なぜなら当ブログは著作権侵害事件の事実のみを伝え、誹謗中傷はせず、実名表記は法人関係者のみ、個人のプライベートなことは一切書いていないからです。つまり、テレビや新聞の報道と同じです。
日本国憲法は、このような事件の顛末を世に知らしめることを「表現の自由」で保障していますし、記事を読むことも「国民の知る権利」で保障しています。同様の事件を係争中なら公開してください。他のクリエイターの方々の参考になることでしょう。
ただし、係争中ですから自分に不利なことをうっかり書いたら本末転倒です。もし、どこまでを公開したらよいかが分からなかったら安全な範囲を弁護士に相談されると安心でしょう。
おめでとうございます。
赤字覚悟で戦うのは色々大変だったと思いますが、お金を取り返せて良かったです。
杜撰な社長が著作権侵害を無視するだけならまだしも、法律のプロである弁護士までもが
Yahoo検索で見つけた画像を勝手に無料だと勘違いして合法だと主張するのに呆れました。
弁護士もピンキリなんですね。
本人訴訟から代理人訴訟に切り替わるや否や不利を悟ってあっさり降伏する辺り、
「弱い相手にだけは強気で横暴」という相手の社長のしょうもない人間性が見て取れて、
これまた呆れるしかありませんね。
私自身もイラストの仕事をしていますが著作権侵害の泣き寝入り事例をよく耳にします。
どうせ弁護士費用で赤字だし、キリがないし、悔しいけど諦めようって人が多いし、
私自身が被害に会っても泣き寝入りで済まそうかと諦めてたんですが、
こういうブログ記事は励みになるというか、自分の考え方も少し変わりました。
こんにちは。
この記事をアップしてから、無断転載されても泣き寝入りせずに相手に連絡を入れるカメラマンやイラストレーターさんが増えて、嬉しい限りです。クリエイターみんながそうすれば、こうした無断転載事件も減っていくでしょう。
弁護士は、ぼくもこの件ではじめて知ったのですが、とりあえずダメモトでなんでも主張するのが仕事みたいですね。で、裁判官は、より理の通ってる方に軍配を上げるのが仕事。なので、こちらが正しくても裁判では理路整然と主張しなければ負けてしまうということも学びました。世知辛いですが、よい社会勉強になりました^^
メールを送っただけで、陳謝して使用料を払ってくださる方も少なくないです。タングラムさんも、被害にあったら泣き寝入りしないで、相手に連絡をとってみてください。
著作権裁判の記事、全部読みました。タメになりました。少額訴訟してみたいと思います。
お役に立てて光栄です。
少額訴訟は覚えておくといろんなことに応用できます。ぜひやってみてください。